広告を通じて知った別のコンサルティング会社の評価制度を導入したが、社員の評価が会社の業績や働きぶりと一致せず、社員のモチベーションが低下してしまった。
この会社では、社長が社員の評価シートの目標設定を行わず、社員自身が設定した目標をコンサルティング会社と直接共有し、面談も社員、コンサル会社のスタッフ、部門長のみで行っていたことが大きな原因でした。
社員が設定した目標は会社の理念やビジョン、経営計画とリンクしておらず、その結果、評価が会社の目標達成に貢献しているとは言えない状態でした。
結果として、社員は「目標達成を頑張っても給与が上がらない」という疑問や、「ミスが多い社員が昇進している」といった不満を抱き、モチベーションが低下してしまいました。
の会社は、以下の3つの支援を通じて、評価制度を成功に導きました。
・社長が自ら経営理念とビジョンの実現、事業計画の達成に必要な人材像を言語化
社長が会社の方向性を明確に示し、社員一人ひとりに何を期待しているのか具体的に示しました。
・社長が自ら社員の目標を考え、進捗を確認する面談を実施
社長が直接、社員一人ひとりの目標を設定し、定期的に面談を通じて進捗を確認しました。
・部門長も面談に参加し社長の意図を共有
面談に部門長が参加することで、社長が社員に伝えたい意図を部門長も理解し、日々の指導に活かせるようにしました。
これらの施策を通じて、組織全体で目標が共有され、社員一人ひとりが自身の成長と会社の成長に向けて目標に取り組むようになりました。
中小企業が評価制度を成功させるためのポイント
今回の事例から、中小企業が評価制度を成功させるために以下の点が重要であることがわかります。
・経営者が主体的に関わる
評価制度は、単にツールを導入するだけではなく、経営者が主体的に関わり、組織全体で共有する必要があります。
・会社の理念やビジョンと連動させる
評価制度を会社の理念やビジョンと連動させることで、社員の行動が目標に結びつきやすくなります。
・社員一人ひとりと向き合う
社員一人ひとりと定期的(月1回以上)の進捗確認を行い、個別の達成への道筋を共有することで、社員のモチベーションを高めることができます。
評価制度は社員のモチベーションを高め、組織の成長に繋がる重要な要素です。しかし、安易に導入するのではなく、自社の状況に合わせて丁寧に設計し、運用していくことが求められます。
今回の事例を参考に、貴社でも効果的な評価制度を構築し、社員の成長と組織の活性化を実現しましょう。
社長の想いを反映した評価制度の構築をお考えの方は、ぜひHOPにご相談ください。
(文責:平岩 大輔 )