コロナ禍で売上高が激減し、前年対比などの目標指標が参考にならず、
何を目標に日々の営業をしたら良いかが見えなくなってしまいました。
ご相談内容
現状分析と改善策
- 飲食店を経営する会社さんで、特に夜の宴会需要が激減により、売上高は従来の50%以下と厳しい状況が続き、経営者さんもどのように打ち手を考えたらよいかが分からなくなっていました。
- 理想を掲げても仕方がないので、資金繰りを加味した最低減の必達目標を明確にし、そのためにできることを具体的に思考してもらうことで、前向きな気持ちをお持ちいただけるように経営資料を作成しました。
工夫したポイント
- 補助金の給付を前提に、損益分岐点売上を算出し、手の届きそうな必達目標を明示しました。
- 補助金の給付がなくなった場合の損益分岐点売上と、毎月の資金繰りがマイナスにならないための資金繰りベースでの損益分岐点売上も併せて明示し、「○ヶ月後にはこの売り上げまで戻す必要がある」というメッセージを伝え、数か月後の未来をつくるための打ち手も併せて考えて頂きました。
結果
コロナ禍の営業の実績を示す損益計算書や客単価、原価率といった管理指標は、正常な数値とは考えられず、コントロールのできない結果を反映していました。先の見えない状況下で経営者が目標を掲げられなくなっている状況に寄り添って、コントロールできることに前向きになっていただくことを意識しました。必達目標をクリアするための、そして数か月後の未来のための「仕込み」を検討いただくことができました。
「お酒が飲めるようになることで一席当たりの単価が上がり、原価率も下げられるはずなので、客数を減らしても利益は出るはずですよ。」
「HP、グルメサイトで一番に飛び込んでくる情報は、本当に選んでほしいコースになっているのでしょうか?」
「コロナが落ち着いたら行きたいと思い出してもらえるように、DMのための名簿の整備をしてはどうですか?」など様々な話をしました。
クライアント様は当然その道のプロですので、私と会話をする中で自分の会社に合うような工夫を自ら考えて実践されました。会計事務所の立場でお客様の売上に直接貢献できるサービスは多くはないです。
しかし、クライアント様に現状を伝えつつも前向きになってもらえるような資料を示し、打ち手を思考する時間をとることで、お客様自身が何かしらの気づきを得て行動が生まれていきます。このような「経営の時間」を提供することも我々の価値です。
(文責:寺山 大裕)