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更新日:2026年3月24日
平均賃金とは、労働基準法第12条に基づいて算出される、労働者の1日あたりの賃金額です。
解雇予告手当や休業手当の算定、有給休暇の賃金計算、労災補償額の決定など、労務管理のさまざまな場面で必要になります。
この記事では、平均賃金の基本的な計算方法から、解雇予告手当・休業手当・有給休暇・労災の場面別の具体的な計算例、算定内訳(様式第8号)の書き方まで、実務で必要な知識をわかりやすく解説します。
「解雇予告手当はいくら支払えばいい?」「休業手当の計算はどうする?」といった疑問にも、具体的な数字を使った計算例でお答えします。
目次
平均賃金は、日常会話で使われる「平均的な給与水準」とは異なります。労働基準法第12条で定められた法律上の専門用語です。
解雇予告手当や休業手当、労災補償など、労働者の権利を守るための重要な基準として使用されます。
平均賃金とは、労働基準法第12条で定められた賃金の算定方法のことです。
算定事由発生日以前3ヶ月間の賃金総額を、その期間の総日数(暦日数)で割った金額を指します。
重要なポイントは、計算の分母が「労働日数」ではなく「暦日数(総日数)」である点です。休日も含めた日数で計算するため、一般的な給与計算とは異なります。
〈平均賃金の計算式(原則)〉
平均賃金 = 算定事由発生日以前3ヶ月間の賃金総額 ÷ その期間の総日数(暦日数)
平均賃金は、労働者の生活を保障するためのものです。そのため、通常の生活賃金をありのままに算定しています。
平均賃金は、解雇予告手当(30日分以上)、休業手当(60%以上)、年次有給休暇の賃金、災害補償、減給制裁の制限額など、労働者保護に関わる様々な場面で基準として使用されます。
それぞれの場面での具体的な計算方法は、「【場面別】平均賃金を使った計算例」で詳しく解説しています。
平均賃金が使われるのは労働者の生活を守るため、最低限の基準を設けるためです。
給付基礎日額は原則として平均賃金と同額です。しかし、労災保険では被災労働者を適正に補償するための補正措置が適用されます。
具体的には、最低保障額(自動変更対象額)、スライド制、年齢階層別限度額などがあります。
労災保険法第8条第1項で「給付基礎日額は平均賃金に相当する額」と規定されています。しかし、長期療養者や若年・高齢労働者への配慮として追加で補正措置が設けられています。
平均賃金の計算には、基本の計算式と最低保障額、2種類の計算式があります。両方を計算して高い方が採用されます。
ここでは、計算式の詳細と端数処理のルールについて見ていきましょう。
平均賃金の基本計算式は「算定事由発生日以前3ヶ月間の賃金総額÷その期間の総日数(暦日数)」。
分母が「労働日数」ではなく「暦日数」なのがポイントです。また、賃金締切日がある場合は、直前の締切日から起算します。
〈基本の計算式〉:平均賃金 = 3ヶ月間の賃金総額 ÷ 3ヶ月間の暦日数
例:賃金総額90万円 ÷ 暦日数92日 = 9,782円60銭
賃金締切日当日に算定事由が発生した場合はその日を含めず、その前の締切日から起算するので注意が必要です。
日給制・時給制・出来高払いの労働者には、最低保障額が適用されます。計算式は「賃金総額÷労働日数×60%」です。
パートタイマーなど労働日数が少ない労働者は、暦日数で割ると平均賃金が著しく低くなりますよね。そのため、最低保障額が設けられています。
〈最低保障額の計算式〉:最低保障額 = 3ヶ月間の賃金総額 ÷ 3ヶ月間の労働日数 × 60%
例:賃金総額41万円 ÷ 労働日数41日 × 60% = 6,000円
原則の計算と最低保障額を比較し、高い方を平均賃金として採用します。パートやアルバイトは最低保障額が適用されることが多いです。
平均賃金の計算で端数が生じた場合、「銭未満(小数第3位以下)を切り捨て」が原則。
つまり、小数点以下第2位までは残します。1銭=0.01円なので、例えば9,890.123円なら9,890円12銭(9,890.12円)となります。
実際に手当を支払う際は「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第3条」に基づき、1円未満を四捨五入します。
賃金総額とは、平均賃金を計算する際に分子となる金額のことで、算定期間中に支払われた賃金の合計額を指します。
名称にかかわらず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものが含まれます。ここでは、どの賃金を含めるか、どの期間を除外するかを解説します。
通勤手当・残業代(時間外手当)は平均賃金の計算に含みます。
労働基準法第11条で「賃金」と定義されるすべてのものが対象。基本給・各種手当・未払い賃金が含まれています。
| 区分 | 含むもの | 含まないもの |
|---|---|---|
| 基本給 | 月給、日給、時給 | - |
| 手当 | 通勤手当、時間外手当(残業代)、深夜手当、休日手当、家族手当、役職手当、住宅手当 | - |
| 賞与 | 年4回以上支給の賞与(3ヶ月以内の期間ごとに支払われるもの) | 年2回の賞与(3ヶ月超の期間ごとに支払われるもの) |
| 臨時的支払 | - | 結婚手当、見舞金、退職金 |
| その他 | 未払い賃金 | 出張旅費(実費弁償) |
通勤手当は労働基準法第11条の「賃金」に該当するため、平均賃金の計算に算入されます。残業代(時間外手当・深夜手当・休日手当)も同様に、算定期間中に支払われたものはすべて賃金総額に含めます。
ただし、出張旅費など実費弁償の交通費は「含まない」点に注意してください。また、割増賃金(残業代)の計算基礎からは通勤手当が除外されますが、平均賃金の計算では除外されません。この違いに注意が必要です。
賞与・ボーナスは平均賃金の計算に「含まない」のがルールです。
労働基準法第12条第4項で「3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金」は除外すると規定されています。よって、年2回のボーナスは除外されます。
ただし、年4回以上支給される賞与は「3ヶ月以内の期間ごと」の支払いとなるため、賃金総額に算入されます。支給回数によって扱いが変わる点に注意しましょう。
平均賃金の算定期間から除外される期間は、下記の5つです。
私傷病(業務外のケガや病気)による欠勤は除外期間に該当しません。
| 除外される期間 | 根拠 |
|---|---|
| 業務上負傷・疾病による療養のための休業期間 | 労働基準法第12条第3項第1号 |
| 産前産後休業期間 | 労働基準法第12条第3項第2号 |
| 使用者の責めに帰すべき事由による休業期間 | 労働基準法第12条第3項第3号 |
| 育児休業・介護休業期間 | 労働基準法第12条第3項第4号 |
| 試用期間 | 労働基準法第12条第3項第5号 |
上記期間を除外しないと平均賃金が不当に低くなり、労働者にとって不利益となるため、除外規定が設けられています。除外期間中の賃金も算定から除外される点に注意してください。
平均賃金は、実際にはさまざまな場面で使われます。ここでは、月給30万円(直近3ヶ月の暦日数92日)の社員を例に、場面ごとの具体的な計算方法を解説します。
なお、この例での平均賃金は以下の通りです。
平均賃金 = 90万円(3ヶ月の賃金総額)÷ 92日(暦日数)= 9,782円60銭
解雇予告手当とは、使用者が労働者を解雇する際に、30日前までに予告しなかった場合に支払わなければならない手当です(労働基準法第20条)。
〈計算式〉:解雇予告手当 = 平均賃金 × 不足日数(最大30日)
| 予告のタイミング | 不足日数 | 解雇予告手当 |
|---|---|---|
| 即日解雇(予告なし) | 30日 | 9,782.60円 × 30日 = 293,478円 |
| 15日前に予告 | 15日 | 9,782.60円 × 15日 = 146,739円 |
| 20日前に予告 | 10日 | 9,782.60円 × 10日 = 97,826円 |
| 30日前に予告 | 0日 | 0円(手当不要) |
次に、時給制パートの場合も見てみましょう。パートなど日給・時給制の場合は、最低保障額を使って平均賃金を算出します。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 3ヶ月の賃金総額 | 1,200円 × 6時間 × 48日 | 345,600円 |
| ① 原則の平均賃金 | 345,600円 ÷ 92日 | 3,756円52銭 |
| ② 最低保障額 | 345,600円 ÷ 48日 × 60% | 4,320円 |
| 適用される平均賃金 | ①と②の高い方 | 4,320円(最低保障額) |
| 即日解雇の予告手当 | 4,320円 × 30日 | 129,600円 |
パート・アルバイトであっても解雇予告手当の支払義務は同じです。雇用形態を問わず、30日前の予告がなければ手当が発生します。
休業手当とは、使用者の都合で労働者を休業させた場合に支払う手当です(労働基準法第26条)。
〈計算式〉:休業手当 = 平均賃金 × 60% × 休業日数
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 1日あたりの休業手当 | 9,782.60円 × 60% | 5,869円56銭 |
| 5日間の休業手当合計 | 5,869.56円 × 5日 | 29,348円(1円未満四捨五入) |
有給休暇を取得した日の賃金は、以下の3つの方式のいずれかで計算します(労働基準法第39条第9項)。どの方式を採用するかは、就業規則等で定めておく必要があります。
| 計算方式 | 計算方法 | 1日あたりの金額 |
|---|---|---|
| ①平均賃金方式 | 平均賃金をそのまま適用 | 9,782円60銭 |
| ②通常賃金方式 | 所定労働時間分の通常賃金(月給÷所定労働日数) | 13,636円 |
| ③標準報酬日額方式 | 標準報酬月額÷30(労使協定が必要) | 約10,000円 |
業務中や通勤中のケガ・病気で仕事を休む場合、労災保険から休業補償が支給されます。この金額の基礎となるのが平均賃金(給付基礎日額)です。
〈計算式〉
休業補償給付 = 給付基礎日額(≒平均賃金)× 60%
休業特別支給金 = 給付基礎日額 × 20%
| 項目 | 計算 | 1日あたりの金額 |
|---|---|---|
| 休業補償給付(60%) | 9,782.60円 × 60% | 5,869円 |
| 休業特別支給金(20%) | 9,782.60円 × 20% | 1,956円 |
| 合計(80%) | - | 7,825円 |
労災申請時には平均賃金算定内訳(様式第8号)の提出が必要です。書き方は後述のセクションで詳しく解説しています。
従業員に対して減給の制裁(懲戒処分としての減給)を行う場合、労働基準法第91条により上限が定められています。
| 制限 | 計算 | 上限額 |
|---|---|---|
| 1回あたりの上限 | 9,782.60円 × 0.5 | 4,891円 |
| 月間の合計上限 | 300,000円 × 10% | 30,000円 |
たとえば、遅刻1回につき3,000円の減給とする就業規則であれば、1回あたりの上限4,891円以内なので適法です。ただし、同月内に複数回の制裁があっても、合計で30,000円を超えることはできません。
ここでは、月給制、時給制・パート、入社3ヶ月未満のケース別に具体的な計算例を紹介します。
自分のケースに当てはめて計算してみてください。
月給30万円(通勤手当1万円含む)の労働者の場合、直近3ヶ月の賃金総額90万円÷総日数92日=9,782円60銭が平均賃金となります。
| 項目 | 内容 | 詳細・計算式 |
|---|---|---|
| 対象期間 | 4月・5月・6月 | 暦日数:92日(31+31+30) |
| 月給内訳 | 300,000円 | 基本給29万円 + 通勤手当1万円 |
| 賃金総額 | 3ヶ月分合計 | 300,000円 × 3ヶ月 = 900,000円 |
| 平均賃金 | 1日あたりの額 | 900,000円 ÷ 92日 = 9,782円60銭 |
暦日数を使用するため、月によって平均賃金は変動します。通勤手当を含めることを忘れずに計算してください。
時給制のパート労働者は原則計算と最低保障額計算の両方を計算し、高い方を平均賃金とします。
労働日数が少ないパートは最低保障額が採用されることが多いです。
| 項目 | 内容・計算式 | 金額/数値 |
|---|---|---|
| 基礎データ | 時給 / 勤務形態 / 賃金総額 / 暦日数 / 労働日数 | 1,200円 / 週3・1日6時間 / 280,800円 / 91日 / 39日 |
| ① 原則計算 | 賃金総額 ÷ 暦日数 | 3,085円71銭 |
| ② 最低保障 | (賃金総額 ÷ 労働日数) × 60% | 4,320円 |
| 採用金額 | ①と②のいずれか高い方 | 4,320円(最低保障額) |
入社3ヶ月未満の場合は「入社日から算定事由発生日までの賃金総額÷その期間の暦日数」で計算します。
賃金締切日がある場合、少なくとも1回分の完全な賃金締切期間があれば、締切日から起算です。
| 項目 | 内容 | 詳細・計算式 |
|---|---|---|
| 基本情報 | 入社日 / 算定事由発生日 | 1月20日 / 3月20日(解雇予告) |
| 賃金締切日 | 毎月末日 | 締切日があるため、既往の期間で計算 |
| 算定対象期間 | 入社日 〜 直近の締切日 | 1月20日 〜 2月28日 |
| 算定対象日数 | 暦日数 | 12日(1月) + 28日(2月) = 40日 |
| 賃金総額 | 期間中の合計額 | 120,000円 + 250,000円 = 370,000円 |
| 平均賃金 | 1日あたりの額 | 370,000円 ÷ 40日 = 9,250円 |
入社後の期間とその期間中の賃金総額で算定する点がポイントです。
労災申請時には、休業補償給付支給請求書(様式第8号)と平均賃金算定内訳(別紙1)の提出が必要です。
ここでは、記入項目と具体的な記入例を解説します。
様式第8号(休業補償給付支給請求書)と平均賃金算定内訳(別紙1)は、厚生労働省のホームページからPDF・Excel形式でダウンロードできます。
別紙1は初回の休業補償請求時のみ添付が必要で、2回目以降は不要です。
記載内容が本体(様式第8号)の記載と矛盾していないか確認することが重要です。厚生労働省の公式サイトから様式をダウンロード可能です。
欠勤控除がある場合、控除後の賃金総額(実際に支払われた賃金)を使用して計算します。
ただし、欠勤日数は暦日数から控除しません。私傷病による欠勤は除外期間に該当しないため、通常通り計算します。
欠勤が多い期間を算定期間とすると、平均賃金が低くなる点に注意が必要です。
平均賃金についてのよくある疑問をQ&A形式でまとめました。実務で迷いやすいポイントを確認しましょう。
平均賃金は労働基準法第12条で定められた計算式(3ヶ月の賃金総額÷暦日数)で算出される法律用語です。通常賃金は所定労働時間労働した場合に支払われる賃金を指します。
有給休暇の賃金計算では、(1)平均賃金、(2)通常の賃金、(3)標準報酬日額の3つから選択。就業規則で定めた方法で統一して支払います。詳しい比較は「有給休暇の賃金計算例」をご覧ください。
原則計算(賃金総額÷暦日数)と最低保障額(賃金総額÷労働日数×60%)の両方を計算し、高い方を採用します。
労働日数が少ない場合は最低保障額が適用されることが多いです。パートやアルバイトは最低保障額の計算も必ず行ってください。具体的な計算例は「時給制・パートの場合の計算例」で解説しています。
可能です。労働基準法第39条第9項で、(1)平均賃金、(2)通常の賃金、(3)標準報酬日額の3つから選択できます。
就業規則で定めた方法で統一して支払う必要があり、従業員ごとに異なる計算方法を適用することはできません。3方式の金額比較は「有給休暇の賃金計算例」をご確認ください。
賃金締切日当日に算定事由(解雇予告、業務上の負傷など)が発生した場合は、その締切日は算定期間に含めず、直前の賃金締切日から起算します。
たとえば、賃金締切日が毎月末日で、3月31日に解雇予告された場合の算定期間は「1月1日〜3月31日」ではなく、「12月1日〜2月末日」となります。
これは、算定事由発生日を含む賃金計算期間が「未確定」とみなされるためです。賃金が確定している直近3ヶ月を使うのが原則です。
私傷病(業務外のケガや病気)による長期欠勤は、算定期間からの除外事由に該当しません。そのため、欠勤が多いと賃金総額が減り、平均賃金は低くなります。
一方、以下の期間は算定期間から除外されるため、平均賃金への影響はありません。
長期欠勤後に解雇予告手当などの算定が必要な場合は、平均賃金が著しく低くなる可能性があるため注意が必要です。
平均賃金は、解雇予告手当・休業手当・有給休暇の賃金・労災補償・減給制裁の上限など、労務管理の幅広い場面で使われる重要な数値です。
正確な平均賃金の算出は、各種手当の適正な支払いや労災手続きの円滑な進行に直結します。判断に迷う場合は、社会保険労務士や管轄の労働基準監督署に相談することをおすすめします。
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