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更新日:2026年03月16日
年末調整はいつまでに提出すればいいのか、毎年この時期になると悩む方は多いのではないでしょうか。
結論として、従業員が会社に書類を提出する期限は多くの企業で11月上旬〜中旬、会社側が税務署に法定調書を提出する法定期限は翌年1月31日です。
本記事では、2025年分(令和7年分)の年末調整について、従業員から会社への提出期限、会社側の処理期限、税務署への提出期限を時系列で解説します。バイト・退職者・個人事業主のケース別対応や、期限を過ぎた場合の対処法もまとめました。
年末調整の提出期限や対象期間について正しく理解したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
年末調整には「従業員→会社」「会社での計算処理」「会社→税務署・市区町村」の3段階の期限があります。2025年分(令和7年分)の全体スケジュールは以下の通りです。
| 時期 | 従業員の作業 | 会社側の作業 |
|---|---|---|
| 10月 | 控除証明書を受け取り保管 | 年末調整関連書類の準備・配布 |
| 11月上旬〜中旬 | 書類を記入し会社に提出 | 従業員から書類を回収 |
| 11月下旬〜12月中旬 | ― | 書類の内容確認・年税額の計算 |
| 12月の給与支給日 | 還付金・追加徴収を給与明細で確認 | 過不足税額の精算(給与で還付または徴収) |
| 翌年1月10日 | ― | 源泉所得税の納付(納期の特例は1月20日) |
| 翌年1月31日 | ― | 法定調書・給与支払報告書の提出 |
それぞれの段階について詳しく見ていきましょう。
従業員が会社に年末調整の書類を提出する期限は、多くの企業で11月上旬〜中旬に設定されています。法律上、従業員から会社への提出期限は明確に定められていません。しかし、会社が12月の最終給与支給日までに年末調整を完了する必要があるため、各社が独自に社内期限を設けています。
保険料控除証明書は保険会社から10月頃に届き始めます。届いたら紛失しないよう保管し、社内の提出期限までに書類をまとめて提出しましょう。
会社は従業員への最終給与(通常12月の給与)を支給するまでに、年末調整の計算を完了させます。所得税法第190条により、年末調整は「その年最後に給与等の支払をする時」に行うと規定されており、一般的に12月中旬〜下旬が処理のタイムリミットです。
12月の給与や賞与の支給時に過不足額を精算(還付または追加徴収)します。12月分の源泉所得税は翌年1月10日(納期の特例を受けている場合は1月20日)が納付期限です。
会社は翌年1月31日までに、法定調書(源泉徴収票・支払調書)を税務署に、給与支払報告書を従業員の住所地の市区町村に提出する義務があります。法定調書合計表も同じく翌年1月31日が期限です。
2025年分(令和7年分)については、2026年1月31日が土曜日にあたるため、提出期限は翌営業日の2026年2月2日(月)となります。従業員への源泉徴収票の交付もこの期限までに行います。
所得税法第226条により、源泉徴収票は翌年1月31日までに税務署と本人に交付する義務があります。地方税法により、給与支払報告書も同じ期限で市区町村への提出が必要です。
年末調整の対象となる給与は「いつからいつまでの収入か」も重要なポイントです。結論として、その年の1月1日から12月31日までに支払うべきことが確定した給与が年末調整の対象となります。
年末調整の対象は「その年の1月1日から12月31日までに支払うべきことが確定した給与」です。ここで重要なのは、判定の基準日が「契約や慣習で定められた支給日」であるという点です。未払いであっても支給日が到来していれば対象に含まれます。
たとえば、12月1日〜31日の勤務分の給与が翌年1月10日に支給される場合、この給与は当年ではなく翌年分の年末調整の対象となります。あくまで「契約や慣習で定められた支給日がいつか」で判定するため、締日や勤務期間ではなく支給日に注目してください。
なお、2025年の税制改正により所得税の非課税ラインが変更されています。基礎控除が最大 95万円(合計所得132万円以下の場合)、給与所得控除の最低保障額が65万円に引き上げられた結果、いわゆる「103万円の壁」は「160万円」に引き上げられました。また、扶養控除の判定基準は合計所得58万円以下(年収123万円以下)に変更されています。
年末調整の対象は、12月31日時点で在籍し「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している従業員全員です。正社員、パート、アルバイトなど雇用形態は問いません。
ただし、以下のケースでは年末調整の対象外となります。
年の途中で退職した場合でも、死亡退職や12月の給与支給後に退職した場合、年収123万円以下で退職した場合などは、退職時に年末調整の対象になることがあります。
年末調整で従業員が提出する書類は「全員が提出するもの」と「該当者のみ提出するもの」に分かれます。2025年分からは税制改正に伴い申告書の様式も変更されているため、最新の書類を使用してください。
| 書類名 | 対象者 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 扶養控除等(異動)申告書 | 全員 | 扶養親族の状況を申告 |
| 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書 | 全員 | 基礎控除・配偶者控除等を申告 |
| 保険料控除申告書 | 該当者のみ | 生命保険料・地震保険料・iDeCo等を申告 |
| 住宅借入金等特別控除申告書 | 該当者のみ | 住宅ローン控除(2年目以降)を申告 |
全従業員が提出する書類は以下の2点です。
扶養控除等申告書は年末調整を受けるための前提となる書類です。主たる給与の支払者(メインの勤務先)に提出します。
基礎控除申告書は、2020年以降すべての給与所得者が提出する書類で、基礎控除額を算定するために必要です。2025年分からは「特定親族特別控除」が新設され、19歳以上23歳未満の親族で扶養控除の対象外となる場合にも段階的に控除が受けられるようになりました。
控除証明書は保険会社から10月頃に届き始めるため、届いたら年末調整の提出期限まで紛失しないよう保管しておきましょう。
次の書類は、対象となる控除を受ける人のみが提出します。
1. 給与所得者の保険料控除申告書
生命保険料、地震保険料、社会保険料、小規模企業共済等掛金(iDeCoを含む)の控除を受ける場合に提出します。保険会社から届く控除証明書の原本添付が必要です。
2. 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
住宅ローン控除を受ける場合に提出します。1年目は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で申告できます。
従来は控除証明書の原本を紙で提出することが一般的でしたが、近年は年末調整のクラウドシステムを導入する企業が増えています。マイナポータル連携等を利用し、保険会社から取得した電子的控除証明書(XMLデータ)をオンラインでそのまま会社へ提出できるケースも多くなっているため、まずは勤務先が指定する提出方法(紙かシステムか)を確認しましょう。
年末調整は立場によって対応方法が異なります。以下の表で自分の状況を確認しましょう。
| 立場 | 年末調整の対象 | 対応方法 |
|---|---|---|
| 正社員 | ○ | 勤務先で年末調整を受ける |
| パート・アルバイト | ○(扶養控除等申告書を提出している場合) | 主たる勤務先で年末調整。掛け持ちの場合、他の勤務先分は確定申告 |
| 退職者(年内に転職) | ○ | 転職先で前職分と合算して年末調整 |
| 退職者(年内に再就職なし) | × | 自分で確定申告(翌年2月16日〜3月15日) |
| 個人事業主(本人) | × | 確定申告で所得税を精算 |
| 個人事業主(従業員・専従者あり) | 雇用主として実施義務あり | 法人と同じ期限で年末調整を実施 |
バイト・パートも正社員と同様に年末調整の対象であり、提出期限も会社が定めた社内期限(通常11月上旬〜中旬)に従います。扶養控除等申告書を提出している勤務先であれば、雇用形態に関係なく年末調整を受けられます。
掛け持ちでバイトをしている場合は、扶養控除等申告書を提出できるのは1社のみです。 主たる勤務先(収入が多い方)で年末調整を受け、他の勤務先の給与については自分で確定申告を行います。
学生バイトの場合も同様です。勤労学生控除を受けるときは、年末調整時に申告するか確定申告で申請してください。
年末調整をしないと、源泉徴収で払いすぎた税金の還付を受けられない可能性があります。確定申告で還付を受けることは可能ですが、手間が増えるため、忘れずに書類を提出しましょう。
年内に転職した場合は、前職の源泉徴収票を転職先に提出すれば、転職先で前職分と合算して年末調整を受けられます。退職後1か月以内に前の会社から源泉徴収票が交付されるため、届いたら転職先の経理部門に早めに提出しましょう。
年の途中で退職し、年内に再就職しなかった場合は年末調整を受けられません。この場合は確定申告期間中(令和7年分の場合は2月16日〜3月16日)に、自分で確定申告を行う必要があります。
ただし、12月の最終給与支給後に退職した場合や、年収123万円以下で退職した場合は、退職時に年末調整の対象となるケースもあります。
個人事業主自身は給与所得者ではないため、年末調整の対象外です。所得税は確定申告で精算します。
ただし、従業員を雇用している個人事業主や、青色事業専従者に専従者給与を支払っている場合は、雇用主(源泉徴収義務者)として年末調整を実施する義務があります。期限は法人と同じく、税務署への法定調書提出が翌年1月31日(2025年分は2026年2月2日)までです。
退職後に無職の状態が続いている場合でも、年の途中まで給与収入があった方は確定申告をすることで税金が還付される場合があります。忘れずに対応しましょう。
年末調整の書類を出し忘れてしまった場合でも、状況に応じた対処方法があります。焦らず、以下の手順で対応を検討してください。
法律上は、翌年1月31日の法定調書提出期限までであれば会社側で再計算(再年調)を行うことが可能です。しかし実務上は、すでに給与システムでの精算処理や税務署への納税手続きが進んでいるため、社内期限を過ぎた後のやり直しを受け付けない企業もあります。期限に遅れた場合は、原則としてご自身で確定申告を行う必要があると考えておきましょう。
ただし、源泉徴収票がすでに従業員に交付されている場合は、会社での修正が困難になります。この場合は確定申告で対応することになります。
社内の提出期限を過ぎてしまった場合は、まず会社の経理・人事部門に連絡しましょう。法定期限(翌年1月31日)までなら、会社の判断で受け付けてもらえる場合があります。
保険料控除証明書の提出が間に合わなかった場合や、申告内容に間違いがあった場合も、確定申告で同等の控除を受けたり正しい内容に修正したりすることが可能です。
年末調整を受けられなかった場合は、翌年2月16日〜3月15日の確定申告期間に自分で確定申告を行います。確定申告の提出方法は以下の通りです。
還付を受けるための確定申告(還付申告)であれば、翌年1月1日から5年以内に提出できます。年末調整で保険料控除や住宅ローン控除1年目の適用を受けられなかった場合でも、確定申告で同じ控除を受けることが可能です。
年末調整の結果、所得税を多く払いすぎていた場合は「還付金」として返金されます。一般的には12月の給与または翌年1月の給与と合わせて支給されます。
年末調整の還付金は、多くの企業で12月の給与支給日に給与と合算して支給されます。一部の企業では翌年1月の給与で支給するケースもあります。
年末調整の結果、所得税が不足していた場合は「追加徴収」として給与から差し引かれます。還付・追加徴収のいずれの場合も、金額は給与明細に記載されるため12月〜1月の給与明細を確認してください。
以下のようなケースでは、年末調整で還付金が発生しやすくなります。
2025年分は税制改正により基礎控除が引き上げられたため(48万円→最大95万円)、特に合計所得132万円以下の給与所得者では還付金が増える可能性があります。
最後に、年末調整に関してよくある質問をまとめました。
年末調整の書類は、多くの企業で10月〜11月に会社から配布されます。保険料控除証明書は保険会社等から10月頃に届きます。届いた書類は紛失しないよう保管し、社内の提出期限までにまとめて提出しましょう。
パート・アルバイトで年末調整をしないと、源泉徴収で多く払いすぎた税金が還付されない可能性があります。特に年収103万円以下(2025年分は160万円以下)の場合は所得税がかからないため、源泉徴収された分が全額還付されるケースもあります。
年末調整をしなかった場合でも、翌年の確定申告で還付を受けることは可能です。
ふるさと納税の寄附金控除は年末調整では受けられません。ワンストップ特例制度を利用するか、確定申告で申告する必要があります。
ワンストップ特例は、寄附先が5自治体以内で確定申告が不要な給与所得者が対象です。寄附のたびに各自治体に申請書を提出することで、確定申告なしで住民税から控除されます。
従業員側の年末調整書類は、原則として会社に紙または社内システム経由で提出します。e-Taxは個人が税務署に提出する確定申告用のシステムであり、年末調整の書類提出には直接使えません。
ただし、会社側は税務署への法定調書をe-Taxで電子提出できます。また会社によっては、控除証明書をマイナポータル連携で電子データとして取得し、提出することも可能です。どのような提出方法に対応しているか、まずは会社に確認してみるようにしましょう。
無職で給与収入がない場合は、年末調整の対象外です。年末調整は給与の支払者(会社)が行う手続きのため、勤務先がなければ対象になりません。
年の途中で退職して無職になった場合は、退職時期によっては前の勤務先で年末調整を受けられるケースもあります。受けられなかった場合は、翌年の確定申告で所得税の精算を行いましょう。還付申告であれば翌年1月1日から5年以内に提出可能です。
2025年分の年末調整の主な日程は以下の通りです。
従業員の書類提出:各社の社内期限に従う(多くは2025年11月上旬〜中旬)
会社の年末調整計算:2025年12月の最終給与支給日まで
源泉所得税の納付:2026年1月10日まで(納期の特例は1月20日)
税務署への法定調書提出:2026年2月2日まで(1月31日が土曜のため翌営業日)
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