「社員育成が課題である」との認識から、高額な外部研修を導入実施されていました。しかし、社員が期待通りに成長せず、モチベーションも持続しないため、結果的に「離職率の高さ」が続くなど、人材の定着に苦慮されているというご相談でした。
当初、経営者様のお悩みは「研修内容」や「社員の意欲」にあると推察されました。しかし、企業経営の課題は潜在的である場合が多いため、まずは多角的な視点で現状を分析する「成長企業診断®」を実施いたしました。
成長企業診断®の結果、企業経営における複数の重要指標のうち、特に「従業員満足度」の領域に課題があることが判明いたしました。具体的には、社員の成長課題を明確化し、育成につなげるための『人事評価制度』が整備されていない点が、大きな問題として可視化されておりました。
社員が「何を・どのように達成すれば評価されるのか」という客観的かつ具体的な指針が社内にないまま、モチベーションにフォーカスされた表面的な研修だけが繰り返されていました。この『評価制度の未整備』こそが、研修投資の効果が上がらず『成長につながらない』状態を生み出す根本的な要因であり、ひいては『人材が育たない』真の原因であると特定いたしました。
成長企業診断®の結果に基づき、一時的な研修の追加ではなく、組織の成長基盤として「成長評価制度の設計・導入」をご提案いたしました。
具体的には、企業の経営方針と連動させ、社員一人ひとりのキャリアパスと成長課題を明確にするための、客観的かつ具体的な人事評価制度の構築です。これにより、社員の納得度が高まり、自身の行動を具体的に改善できる環境を整備し、育成と評価が連動する仕組みづくりが進みます。
「成長企業診断®」は、企業が直面している問題の裏に隠れた根本的な課題を、客観的な指標で可視化いたします。
本件は、成長企業診断®によって真の原因を発見し、「成長評価制度の導入」という解決策を実行することで、社員の行動変容を促し、人材の育成と定着率の向上という具体的な成果につなげることができた事例です。
企業経営において「課題は感じているものの、その原因が分からない」というケースは少なくありません。まずは『成長企業診断®』で、企業の現状を多角的な視点から可視化することから始めてみませんか。
(文責:稲好 敬介)