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税理士の費用・顧問料の相場|料金が決まる仕組みと抑え方

更新日:2026年08月25日

税理士の費用・顧問料の相場|料金が決まる仕組みと抑え方

税理士との契約を検討する際、多くの方が気になるのが顧問料の相場です。税理士に支払う料金は、企業の売上規模や依頼する業務の範囲によって大きく変動します。

たとえば、売上5,000万円未満の法人では月額3万〜5万円、売上5,000万円以上になると月額5万円以上が目安になることが多く、決算申告料は月額顧問料の6か月分程度が基本となります。ただし、飲食店のように取引数が多い業種では、同じ売上規模でも料金が上振れするケースがあります。また、記帳代行の有無や訪問の頻度など、複数の条件が重なることで年間の総額は大きく変わります。

この記事では、税理士顧問料の相場を法人・個人事業主別に解説するとともに、費用の内訳や料金が決まる仕組み、そして費用を賢く抑えるための具体的な方法について、HOPグループの実務を交えて説明します。

【料金目安】税理士の費用・顧問料の相場を事業形態別に解説

税理士の顧問料は、事業形態が「法人」か「個人事業主」かによって異なります。一般的に、会計処理や税務申告が法人の方が個人事業主より煩雑になるため、料金も高くなる傾向があります。

1. 【法人向け】年間売上高に応じた月額顧問料の目安

法人の月額顧問料は、年間売上高に比例して高くなるのが一般的です。売上が大きいほど取引量が増え、会計処理の手間も増えるためです。

  • 年間売上 1,000万円未満:20,000円〜30,000円(記帳代行あり等の場合:25,000円〜40,000円)
  • 年間売上 1,000万円〜3,000万円:30,000円〜40,000円(記帳代行あり等の場合:35,000円〜50,000円)
  • 年間売上 3,000万円〜5,000万円:35,000円〜50,000円(記帳代行あり等の場合:45,000円〜60,000円)
  • 年間売上 5,000万円〜1億円:45,000円〜60,000円(記帳代行あり等の場合:55,000円〜70,000円)
  • 年間売上 1億円以上:50,000円〜(記帳代行あり等の場合:60,000円〜)

実務感覚として、売上5,000万円未満の会社では月額3万円〜5万円、売上5,000万円以上になると月額5万円以上になるケースが多い傾向にあります。

ただし、同じ売上規模であっても、飲食店など領収書の枚数(取引数)が極端に多い業種では、想定より料金が高くなることがあります。記帳代行のボリュームが大きいほど処理の手間が増えるためです。訪問頻度や記帳代行の有無など、実際の契約内容によって金額は変動しますので、見積もり時に確認しておくことをおすすめします。

2. 【個人事業主向け】年間売上高に応じた月額顧問料の目安

個人事業主の場合、法人と比較して会計処理や税務申告が簡素になるため、顧問料は全体的に低めに設定される傾向があります。

  • 個人事業主も「年間売上高」が顧問料を算定する上での重要な指標となります
  • 法人よりも安価にスタートできるケースが多いですが、売上が1,000万円を超え、消費税の課税事業者になったタイミングで料金が上がる可能性があります【※要・最新確認】

なお、インボイス制度の開始に伴って課税事業者へ移行した場合は、登録番号の確認など実務上の負担が増えるため、3万円前後の報酬増額が生じた事例もあります。課税事業者への切り替えを検討している場合は、料金面だけでなく申告業務の変化についても事前に税理士に確認しておくと安心です。

顧問料だけじゃない!年間トータル費用の内訳

年間のトータルコストを把握するためには、毎月の顧問料以外に発生する料金を理解しておく必要があります。

顧問料だけじゃない!年間トータル費用の内訳

決算申告料(目安:月額顧問料の5〜6ヶ月分)

法人税や所得税、消費税の申告書を作成し、税務署へ提出する業務に対する報酬です。年間の会計処理を総括する重要な業務の対価であり、顧問料とは別に年1回支払うのが通例です。

HOPでは基本的に月額顧問料の6か月分を決算申告料として設定しています。ただし、不動産会社など消費税の申告が不要なケースでは5か月分となります。また、記帳代行のボリュームが大きく、日頃から記帳代行料を多くいただいているお客様については、決算申告料が6か月分を下回るケースもあります。

月額顧問料が3万円の場合、決算申告料は15万円〜18万円程度が目安です。月額の顧問料だけを見て契約すると、年間コストの見積もりを大きく外すことになるため、必ず決算申告料とセットで確認してください。

オプション業務の追加費用

月々の顧問契約の範囲に含まれない業務を依頼する場合、別途オプション料金が発生します。

  • 記帳代行(仕訳数に応じて変動)
  • 給与計算・年末調整(従業員数・対象人数に応じて変動)
  • 償却資産税の申告
  • 税務調査の立会い
  • 株主総会議事録の作成
  • 税務届出業務 など

契約後に「聞いていなかった」と驚かれやすいのが、株主総会議事録の作成と税務届出業務です。発生頻度がそれほど高くないため見落とされがちですが、年間総額を見積もる段階で確認しておくことをおすすめします。

税務調査の立会い費用については、調査の準備と立会いに要する工数によって報酬額が変動します。日頃から密にコミュニケーションが取れているお客様の場合は状況把握がスムーズなため対応工数を抑えられますが、事前に共有のなかった取引などがあると、事実関係の確認や資料準備に工数がかかり、追加報酬が発生しやすくなります。立会い費用のほかに、修正申告の対応や元帳の印刷代(立替)が別途かかるケースもあります。

税理士の顧問料はなぜ変わる?料金を左右する6つの要因

同じ売上規模の会社であっても、求めるサービスレベルによって料金は大きく異なります。HOPでは実務上、「売上」「記帳代行の有無」「予実管理表の有無」「訪問の有無」の4つを中心に顧問料を決定していますが、以下の6つの要因を総合的に把握しておくことで、契約前に年間コストをより正確にイメージできます。

① 企業の年間売上高の規模

売上規模が大きくなるほど取引の件数や金額が増加し、会計処理が複雑化します。また、税務リスクの大きさに直結するため、税理士側の責任の重さも料金に反映されます。

ただし売上だけが基準ではありません。飲食店のように同じ売上規模でも領収書の枚数(取引数)が極端に多い業種では、想定よりも報酬が高くなるケースがあります。取引件数の多さは、それだけ処理工数に直結するからです。

もう一点、料金以上に重要な変化があります。会社の規模が変わると、税理士が対応できる範囲そのものが変わるということです。小規模なうちは税理士がかなり幅広く相談に乗れますが、規模が大きくなるにつれて対応できない領域が出てきます。役員報酬の設計のように、拡大期に論点が複雑化する分野で抜け漏れが生じ、後から問題になるケースは実際にあります。顧問料を比較する際は、金額だけでなく「自社が次のステージに進んだときにどこまで見てもらえるのか」も確認しておくべきポイントです。

② 税理士による訪問・面談の頻度

毎月訪問して経営状況の報告や相談を行う契約は、四半期や半年に一度の契約に比べて料金が高くなります。近年では、オンライン面談を活用することでコストを抑えたプランを提供する税理士も増えています。

③ 記帳代行を依頼するかどうか(自計化の有無)

領収書や請求書の入力まで全て依頼する「記帳代行」は、税理士の負担が大きいため料金が上乗せされます。自社で会計ソフトに入力する「自計化」を進めれば、チェックのみで済むため顧問料を抑えられます。

HOPの実務でも、売上増加などに伴って顧問料が上がるタイミングで自計化に切り替え、顧問料を据え置きにするお客様が多い印象です。ただし、社内に継続して経理を担当できる専任者がいない場合は自計化がうまく機能しないケースもあるため、「誰が経理を担当し続けるか」を事前に明確にしておくことが重要です。

④ 給与計算や年末調整などの労務関連業務の依頼範囲

これらの労務関連業務は、基本的な税務顧問契約には含まれていないことが多く、従業員数や対象人数に応じたオプション料金となるのが一般的です。

⑤ 税務調査や融資支援など特殊な業務の有無

税務調査の立会いは、前述のとおり調査の準備や立会いに必要な工数に応じて報酬額が変動します。このほか、融資の際の事業計画書作成支援や補助金申請サポートなども、成果に応じた報酬や着手金が別途かかります。

⑥ コンサルティング業務の提供レベル

単なる申告代行だけでなく、資金繰りの改善提案、積極的な節税対策、中期経営計画の策定支援といった高度な経営アドバイスを求める場合、顧問料はその分の付加価値が反映されて高くなります。

顧問料が「安い税理士」と「高い税理士」のサービス内容の違い

顧問料が「安い税理士」と「高い税理士」のサービス内容の違い

顧問料が相場より安い税理士

メリット

事業運営にかかる固定費を削減できる点です。創業期や事業規模がまだ小さい段階には最適です。また、自社に経理知識があり「決算申告のみを正確に行ってほしい」という明確なニーズがある場合にも合理的な選択肢となります。

注意点

格安の顧問料には「自社で記帳すること」と「聞かれたことにだけ答える受け身の姿勢」が前提になっているケースが大半です。そのため、自分で経理を進めて的確な質問ができる方であれば問題ありません。しかし、経理に慣れておらず「税理士からいろいろと教えてもらえる」と期待していると、トラブルになりやすい点に注意が必要です。

また、個人事業主として開業している税理士が多い傾向にあり、担当者以外の対応が難しかったり、万が一の廃業リスクが生じたりする可能性も念頭に置いておく必要があります。

顧問料が相場より高い税理士

提供される付加価値

単なる記帳や申告にとどまらない、手厚いサポートが受けられます。最新の税制改正を踏まえた積極的な節税提案、詳細な経営分析、資金繰り改善のコンサルティング、融資支援など、経営者の良き相談相手としての役割を期待できます。

将来にわたって会社を継続的に発展させることを重視するのであれば、多少コストがかかっても、組織として安定的にサービスを提供できる税理士法人を選ぶ判断が合理的です。税金計算や財務管理は会社の継続発展において疎かにすべきではなく、相応の顧問料をかけることで得られる安心感と提案力の差は、特に売上が拡大する局面で大きく効いてきます。

また、税理士業務にとどまらず、社労士や行政書士などのサポートをワンストップで受けられる事務所であれば、バックオフィス全体のコミュニケーションコストをまとめて削減できます。これは見積書の金額だけでは見えにくい付加価値の一つです。

税理士費用を賢く抑えるための4つの具体的な方法

方法1:記帳業務を自社で行う(自計化)

会計ソフトを導入し、日々の売上や経費入力を自社で行うことで、記帳代行料をカットできます。税理士の業務が「チェックと決算」中心になるため、顧問料の減額交渉がしやすくなります。

HOPの実務では、売上増加などをきっかけに顧問料の見直しが必要になるタイミングで、自計化に切り替えることで顧問料を据え置きにされるお客様が多い印象です。つまり、自計化は「料金を下げる」というより「値上げを回避する」手段として機能するケースが現実には多いといえます。

ただし、自計化には成功と失敗が分かれる条件があります。

ひとつは担当者の確保です。社内に専任担当者がいなかったり、経験の浅い方に任せてその方が退職してしまったりすると、入力が滞って記帳代行に戻さざるを得なくなります。「誰が経理を継続して担当するか」を事前に明確にしておくことが欠かせません。

もうひとつが資料回収の仕組み化です。HOPが自社の月次決算を見直した際に分かったのは、決算が遅れる主な原因は入力作業そのものではなく、資料が集まらないことにあるという点でした。そこで決済方法別・科目別に資料を整理する運用に変えたところ、記帳にかかる時間そのものが減りました。クラウド会計の自動連携を組み合わせれば、手入力の対象をさらに絞り込めます。

自計化を検討する際は、ソフトの導入だけを考えるのではなく、「誰が担当するか」と「資料をどう集めるか」の2つをセットで設計してください。

方法2:オンライン面談を積極的に活用する

対面ではなくZoomなどのオンライン面談に切り替えることで、税理士側の移動時間や交通費が削減され、その分を顧問料に還元してもらえるケースがあります。顧問料を左右する要因の一つに「訪問の有無」があり、オンライン対応への切り替えはコスト削減の交渉材料として活用しやすい方法です。

方法3:訪問頻度を見直す(月次 ⇒ 四半期・半期)

事業が安定しており、毎月の面談が不要であれば、訪問頻度を四半期や半期に一度へと見直しましょう。税理士の拘束時間が減るため、顧問料を抑える交渉がスムーズになります。ただし、頻度を下げすぎると経営上の問題点を早期に拾い上げる機会が減るため、事業の状況と相談しながら判断してください。

方法4:複数の税理士から見積もりを取得する

少なくとも2〜3社の税理士事務所から見積もりを取り、比較検討しましょう。このとき、料金の安さだけを基準にすると判断を誤りやすくなります。

HOPでは見積もり比較の際に、コミュニケーションの取りやすさを必ず確認するよう伝えています。申告時のやり取りに時間がかかったり、相談へのレスポンスが遅かったりすると、削減した顧問料以上に社長の対応工数が増えてしまい、本末転倒になりかねないからです。

また、料金が極端に安い税理士は個人事務所であることが多い傾向があります。担当者以外の対応が難しかったり、万が一の廃業リスクがあったりする点も念頭に置いておく必要があります。税理士法人であれば組織として継続的なサポートが可能な体制が整っている点も、比較時の確認ポイントの一つです。

税理士の費用に関するよくある質問

Q. 年商1,000万円の個人事業主ですが、顧問料の相場はいくらですか?

A. 月額1.5万円〜2.5万円程度が相場です。

自計化している場合は1万円台、記帳代行も任せる場合は2万円を超えることが一般的です。これとは別に、個人の所得税確定申告料として年5万円〜10万円程度がスポットで発生します。

なお、売上1,000万円前後は消費税の課税事業者への切り替わりが生じるタイミングです。HOPでは個人事業主との顧問契約は稀ですが、過去にインボイス制度の開始に伴い課税事業者へ移行したお客様の事例では、登録番号の確認など実務負担が増えたことを理由に、3万円前後の報酬増額をお願いしたケースがあります。課税事業者になるタイミングで顧問料の見直しが生じる可能性がある点は、契約前に確認しておくと安心です。【※要・最新確認】

Q. 月額顧問料の他にどのような料金が発生しますか?

A. 年1回の決算申告料が基本で、HOPでは月額顧問料の6か月分を標準としています。

このほか、記帳代行、給与計算、年末調整、税務調査の立会い、株主総会議事録の作成、税務届出業務がオプション料金の対象になります。契約前に年間総額を書面で確認しておくことが重要です。

Q. 顧問料が格安の税理士に依頼するのはリスクがありますか?

A. サポート範囲が狭いというリスクがあります。

格安の顧問料は「自社で記帳すること」と「聞かれたことにだけ答える受け身の姿勢」が前提になっているケースが多い傾向があります。自分で経理を進めて質問できる方なら問題ありませんが、「税理士からいろいろ教えてもらえる」と期待していると、トラブルになりやすい点は注意が必要です。

「申告さえできればいい」という場合は格安契約でも問題ないケースがありますが、経営相談や節税提案まで求めるのであれば、契約前にサービス内容と対応範囲を必ず書面で確認してください。

まとめ

税理士の費用や顧問料は、企業の売上規模、事業形態(法人・個人)、そして依頼する業務の範囲によって決まります。HOPの料金体系を例に挙げると、売上5,000万円未満の会社で月額3万円〜5万円、売上5,000万円以上の会社で月額5万円以上が一つの目安です。月額の顧問料だけでなく、決算申告料を含めた「年間トータルコスト」で判断することが重要です。

費用を抑えたい場合は自計化が有効ですが、「誰が経理を担当し続けるか」と「資料をどう集めるか」の2つを事前に設計できるかどうかが成否を分けます。担当者が決まらないまま自計化を進めると、結局記帳代行に戻さざるを得ないケースも少なくありません。訪問頻度の見直しやオンライン面談への切り替えも費用削減の手段になります。

複数の税理士から見積もりを取る際は、月額の金額だけを比較するのではなく、コミュニケーションの取りやすさや対応スピードも必ず確認してください。相談へのレスポンスが遅い税理士を選んだ結果、社長自身の対応工数が増えてしまえば、削減した顧問料以上の損失になりかねません。

税理士だけでなく、社労士や行政書士も含めたバックオフィス業務をワンストップで依頼できる事務所であれば、コミュニケーションコスト全体を大きく減らせます。この点も、見積書の金額と合わせて判断材料にしてください。

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成城大学経済学部経営学科卒業後、河合康夫税理士事務所勤務、インベストメント・バンク勤務を経て、
1998年3月 税理士登録、個人事務所開業
2002年4月 税理士法人HOP設立
2006年3月 慶応大学補佐人講座受講
2007年4月 成城大学非常勤講師
2011年12月 一般社団法人相続診断協会 代表理事就任
2020年11月 一般社団法人成長企業研究会 代表理事就任
2023年11月 著書『小さな会社の「仕組み化」はなぜやりきれないのか』 出版
税理士・上級相続診断士・行政書士・終活カウンセラー2級。

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