更新日:2026年3月24日
休職中に給与が出なくなると「社会保険料はどうなるの?」「どうやって払えばいいの?」と不安になる方も多いでしょう。
結論から言うと、休職中でも社会保険料の支払い義務は継続します。無給であっても免除されるわけではありません。
本記事では、2026年3月時点の最新情報をもとに、休職中の社会保険料の金額や支払い方法、払えない場合の具体的な対処法を解説します。
傷病手当金との関係や厚生年金への影響、会社が立て替えた場合の法的注意点、年末調整・確定申告での扱いまで網羅しました。
休職中または休職を検討している方、休職者対応を行う企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
休職中であっても、雇用契約が継続している限り、社会保険(健康保険・厚生年金)の被保険者資格は維持されます。
そのため、社会保険料の支払い義務は免除されません。
無給だからといって社会保険料がゼロになるわけではなく、休職前と同額の保険料が発生し続けます。
休職中でも社会保険料が免除されないのは、雇用契約が継続し被保険者資格が維持されているためです。
健康保険法第161条・厚生年金保険法第82条では、被保険者と事業主の双方に保険料の納付義務が定められています。
休職は法律上の制度ではなく、あくまで会社の就業規則に基づくもの。休職中であっても雇用契約自体は継続しています。
また、社会保険料は実際の給与額ではなく「標準報酬月額」を基準に計算されます。
標準報酬月額は毎年4〜6月の給与平均から決定され、休職中でも原則として変更されません。そのため、無給であっても保険料の金額は休職前と変わらないのです。
社会保険料の納付義務は法律上「事業主(会社)」にあります。
健康保険法第161条・厚生年金保険法第82条で、従業員負担分も含めて事業主に納付義務が課されています。
ただし、従業員負担分については本人が会社に支払う必要があります。
会社は従業員から徴収した分と会社負担分を合わせて、年金事務所や健康保険組合に納付します。
休職中の従業員からの徴収方法としては、以下のようなパターンがあります。
従業員負担分の徴収ができなくても、会社は全額を納付する義務があります。そのため、会社は休職前に徴収方法を従業員と取り決めておくことが一般的です。
社会保険料は「労使折半」、つまり会社と従業員で半分ずつ負担します。
休職中であってもこの負担割合は変わりません。
「休職中は全額自己負担になる」と誤解している方もいますが、それは間違いです。
従業員が支払うのは自己負担分(約半分)のみで、会社負担分を払う必要はありません。
なお、雇用保険料は支払われる給与額に対してかかるため、無給の場合は発生しません。
| 項目 | 負担割合 | 休職中の扱い |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 労使折半(50%ずつ) | 変更なし |
| 介護保険料(40歳以上) | 労使折半(50%ずつ) | 変更なし |
| 厚生年金保険料 | 労使折半(50%ずつ) | 変更なし |
| 雇用保険料 | 給与に応じて負担 | 無給なら発生しない |
休職中の社会保険料がいくらになるかは、休職前の給与をもとに決まる「標準報酬月額」によって異なります。
一般的なサラリーマンの場合、健康保険料と厚生年金保険料を合わせて月額3〜5万円程度の自己負担が発生します。具体的な計算方法と金額例を表で紹介します。
社会保険料は以下の計算式で求められます。
社会保険料(自己負担分)= 標準報酬月額 × 保険料率 ÷ 2
標準報酬月額とは、毎年4〜6月に受け取った給与の平均額を、一定の区分(等級)に当てはめたものです。健康保険は50等級、厚生年金は32等級に区分されています。
この標準報酬月額は、毎年7月に行われる「定時決定」で見直され、9月から翌年8月まで適用されます。
休職による給与減少があっても、「随時改定」の要件(固定的賃金の変動+2等級以上の変動)を満たさなければ変更されません。
つまり、休職前の給与水準をもとに計算された保険料が、休職中もそのまま適用されるのです。
以下は、協会けんぽ(東京都・令和7年度)に加入している場合の社会保険料の目安です。40歳未満と40歳以上で介護保険料の有無が異なります。
例えば月収30万円(標準報酬月額30万円)の40歳未満の方の場合、毎月約42,000円の自己負担が発生します。休職が半年続くと、約25万円もの社会保険料を支払う必要があるのです。
| 標準報酬月額 | 健康保険料 | 介護保険料(40歳以上) | 厚生年金保険料 | 合計(40歳未満) | 合計(40歳以上) | 会社負担分(同額) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 約9,910円 | 約1,590円 | 約18,300円 | 約28,210円 | 約29,800円 | 約29,800円 |
| 26万円 | 約12,883円 | 約2,067円 | 約23,790円 | 約36,673円 | 約38,740円 | 約38,740円 |
| 30万円 | 約14,865円 | 約2,385円 | 約27,450円 | 約42,315円 | 約44,700円 | 約44,700円 |
| 36万円 | 約17,838円 | 約2,862円 | 約32,940円 | 約50,778円 | 約53,640円 | 約53,640円 |
| 41万円 | 約20,316円 | 約3,260円 | 約37,515円 | 約57,831円 | 約61,091円 | 約61,091円 |
※健康保険料率9.91%、介護保険料率1.59%、厚生年金保険料率18.3%で計算(2025年度・東京都の場合)
※「会社負担分」は40歳以上の場合の金額。自己負担と同額を会社も負担するため、全額自己負担にはなりません。
社会保険料以外に忘れてはならないのが住民税です。住民税は「前年の所得」に対して課税されるため、今が無給であっても支払い義務は継続します。
休職中に「発生するもの」と「止まるもの」を整理すると以下の通りです。
| 項目 | 休職中(無給)の支払いの有無 |
|---|---|
| 社会保険料(健康保険・厚生年金) | 休職前と同額が発生 |
| 住民税 | 前年所得に基づき課税(支払い必要) |
| 所得税 | 給与がなければ発生しない |
| 雇用保険料 | 給与がなければ発生しない |
通常、住民税は給与から天引き(特別徴収)されていますが、休職で給与がなくなると天引きができなくなります。 そのため、「会社から届く納付書を使って自分で払う(普通徴収)」か、「会社に立て替えてもらう」かの確認が別途必要になります。
放置すると市区町村から督促状が届く原因になります。社会保険料の相談と一緒に「住民税はどうすればいいですか?」と人事に一言聞いておきましょう。
休職中の社会保険料をどうやって支払うかは、会社との取り決めによって異なります。
主な方法は「毎月振込」「傷病手当金から支払い」「会社立替+復職後返済」の3つです。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分の状況に合った方法を選びましょう。
最も一般的な方法は、会社が指定する期日までに毎月銀行振込で支払う方法です。
会社から毎月請求書が届き、指定口座に振り込む形が多いです。
毎月払うことで滞納を防ぎ、復職後の負担を軽減できます。
振込手数料は通常本人負担となります。
病気やケガで休職している場合、健康保険から傷病手当金(給与の約2/3)が支給されます。
この傷病手当金から社会保険料を支払うことが可能です。
傷病手当金は「標準報酬月額÷30×2/3」が1日あたりの支給額です。例えば標準報酬月額30万円の場合、1日あたり約6,667円、月額では約20万円が支給されます。
支給期間は、支給開始日から通算して最長1年6ヶ月です(2022年1月以降は通算化されています)。
会社によっては、傷病手当金の受取先を会社にして、社会保険料を差し引いた残額を本人に振り込む方法を取ることもあります。
どちらの方法を取るかは、会社との取り決め次第です。詳しくは「傷病手当金と社会保険料の関係」で解説しています。
資金が不足している場合、会社に社会保険料を立て替えてもらい、復職後に給与や賞与から分割で返済する方法もあります。ただし、会社の同意と事前の取り決めが必要です。
法律上、社会保険料の納付義務は事業主にあるため、立替自体は可能です。
しかし、復職後の給与・賞与からの控除には、労使協定(労働基準法第24条協定)と本人同意が必要になります。
退職した場合に回収できないリスクがあるため、会社が立替に応じないケースもあります。
事前に会社の人事・総務部門に確認しておきましょう。立替時の法的注意点については「会社が立て替えた社会保険料の回収方法と法的注意点」で詳しく解説しています。
| 支払い方法 | メリット | デメリット | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 毎月振込 | 滞納を防げる | 毎月の手続きが必要 | 貯蓄がある方 |
| 傷病手当金から支払い | 収入がなくても支払える | 傷病手当金の受給が条件 | 病気・ケガで休職中の方 |
| 会社立替 | 休職中の負担なし | 復職後に返済が必要 | 資金が不足している方 |
病気やケガで休職中の方にとって、傷病手当金は重要な収入源です。しかし、傷病手当金を受給していても社会保険料は免除されません。
ここでは、傷病手当金と社会保険料の関係を整理し、実際に手元にいくら残るかをシミュレーションします。
「傷病手当金をもらっていれば社会保険料は免除されるのでは?」と考える方もいますが、傷病手当金の受給と社会保険料の免除はまったく別の制度です。
社会保険料が免除されるのは産前産後休業・育児休業中のみであり、傷病手当金の受給は免除の要件に該当しません。
傷病手当金はあくまで「所得保障の給付」であり、保険料の減免制度ではないことを理解しておきましょう。
傷病手当金から社会保険料を支払う方法は、大きく2つあります。
方法②の「受領委任払い」は、従業員にとって振込の手間がなく、支払い忘れも防げるメリットがあります。
ただし、この方法を取るには従業員本人の同意書(委任状)が必要です。会社が一方的に傷病手当金を受け取ることはできません。
実際に傷病手当金から社会保険料を差し引くと、手元にいくら残るのでしょうか。月収別にシミュレーションしました。
| 標準報酬月額 | 傷病手当金(月額) | 社会保険料(自己負担) | 手元に残る金額 |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 約133,340円 | 約28,210円 | 約105,130円 |
| 26万円 | 約173,342円 | 約36,673円 | 約136,669円 |
| 30万円 | 約200,010円 | 約42,315円 | 約157,695円 |
| 36万円 | 約240,012円 | 約50,778円 | 約189,234円 |
| 41万円 | 約273,347円 | 約57,831円 | 約215,516円 |
※傷病手当金=標準報酬月額÷30×2/3×30日で概算。実際は暦日数により変動します。
月収30万円の場合、傷病手当金から社会保険料を差し引いても約15万円が手元に残る計算です。住民税の支払いも考慮すると、生活設計は余裕を持って行いましょう。
「休職中だから社会保険料が免除されるのでは?」と期待する方も多いですが、残念ながら病気やケガによる休職では免除されません。
免除が認められるのは産休・育休のみです。
ただし、状況によっては国民健康保険への切り替えで負担が減る可能性もあります。
産前産後休業(産休)と育児休業(育休)中は、届出により健康保険料・厚生年金保険料が免除されます。
免除期間中も、保険料を納めたものとして扱われるため、将来の年金額に影響はありません。
病気やケガ、うつ病などの精神疾患による休職では、社会保険料の免除制度はありません。
傷病手当金を受給していても、社会保険料は通常通り支払う必要があります。
社会保険料免除の法的根拠があるのは産休・育休のみで、病気休職での免除は2026年現在、制度として存在しません。
傷病手当金はあくまで「給付」であり、社会保険料免除とは別の制度です。
| 休職の種類 | 社会保険料の免除 | 備考 |
|---|---|---|
| 産前産後休業(産休) | 免除される | 届出が必要 |
| 育児休業(育休) | 免除される | 届出が必要、条件あり |
| 病気・ケガによる休職 | 免除されない | 傷病手当金の受給は可能 |
| うつ病などの精神疾患 | 免除されない | 傷病手当金の受給は可能 |
| 自己都合の休職 | 免除されない | 傷病手当金の対象外 |
退職して国民健康保険に切り替えた場合、前年の所得が低ければ保険料が減額されることがあります。
国民健康保険料は前年所得に基づいて計算されるためです。
ただし、退職すると厚生年金の被保険者資格を失い、国民年金に切り替わります。
将来の年金額が減る可能性があるため、慎重な判断が必要です。詳しくは「休職中の厚生年金はどうなる?」をご覧ください。
退職を検討する場合は、社会保険労務士や自治体の相談窓口に相談することをおすすめします。
休職中の社会保険料のうち、特に気になるのが厚生年金への影響です。「休職中も厚生年金を払い続ける意味はあるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
休職中であっても、雇用契約が継続している限り厚生年金の被保険者資格はそのまま維持されます。
厚生年金保険料も休職前と同額を支払い続けることになりますが、その分、加入期間と報酬に応じた年金額が将来の受給額に反映されます。
「休職中は保険料を払うだけ損」ではなく、将来の年金を積み上げている期間でもあるのです。
厚生年金の受給額は「加入期間」と「標準報酬月額の平均」で決まります。
休職中も厚生年金に加入し続けているため、加入期間は途切れず、休職前の標準報酬月額がそのまま反映されます。
仮に退職して国民年金に切り替えた場合と比較すると、厚生年金を維持したほうが将来の年金額は多くなります。
退職して国民年金に切り替える場合、以下の違いを理解しておく必要があります。
| 項目 | 厚生年金(在職中) | 国民年金(退職後) |
|---|---|---|
| 保険料 | 標準報酬月額×18.3%÷2 | 月額17,510円(2025年度) |
| 年金額 | 基礎年金+報酬比例部分 | 基礎年金のみ |
| 障害年金 | 障害厚生年金(1〜3級) | 障害基礎年金(1〜2級のみ) |
| 遺族年金 | 遺族厚生年金あり | 遺族基礎年金のみ |
特に注意すべきは障害年金の等級です。厚生年金加入中に初診日がある場合は3級まで対象ですが、国民年金では2級までしか対象になりません。休職中に退職を検討する際は、この点も考慮しましょう。
休職が長引き、貯蓄も傷病手当金も底をついてしまった場合、社会保険料が払えなくなる事態も想定されます。
そんなときは一人で抱え込まず、まず会社に相談することが重要です。分割払いや猶予、傷病手当金の活用など、現実的な対処法を解説します。
社会保険料が払えない場合、まずは会社の人事・総務部門に相談しましょう。
分割払いや支払い猶予に応じてもらえるケースもあります。
会社は従業員負担分を含めて社会保険料を納付する義務があるため、未払いは会社にとってもリスクです。
そのため、従業員と協力して解決策を探る姿勢があることが多いです。
分割払いの取り決めを書面で交わすことで、双方のトラブルを防げます。
会社によっては一時的な立替に応じる場合もあるので、まずは相談してみましょう。
病気やケガで休職している場合、傷病手当金を申請していない方は早急に手続きしましょう。給与の約2/3が最長1年6ヶ月支給されるため、社会保険料の支払い原資になります。
標準報酬月額30万円の場合、社会保険料を差し引いても生活費として約15万円程度は手元に残る計算です。
どうしても払えない場合は、以下のような選択肢を検討する必要があります。
ただし、それぞれにデメリットがあるため、社会保険労務士や自治体の相談窓口に相談することをおすすめします。
退職後も傷病手当金は継続受給できます(退職日まで1年以上被保険者であった場合)。
国民健康保険料は所得に応じて減免される可能性もあります。
休職中に従業員が社会保険料を支払えない場合、会社が立て替えるケースがあります。しかし、立替金の回収には労働基準法上の制約があるため、正しい手順を踏む必要があります。
企業担当者の方は特に、以下の法的注意点を押さえておきましょう。
労働基準法第24条は「賃金は全額を直接労働者に支払わなければならない」と定めています(全額払いの原則)。
そのため、会社が復職後の給与から一方的に立替金を差し引くことは原則として違法です。
ただし、以下の条件を満たせば、給与からの控除が認められます。
最高裁判例(日新製鋼事件・平成2年11月26日)では、労働者の自由な意思に基づく同意があれば相殺も有効とされていますが、同意の任意性が厳しく審査されるため、書面での合意が不可欠です。
社会保険料の立替金を回収するためには、休職前の段階で相殺合意書を取り交わしておくことが重要です。
また、就業規則や休職願の書式に「休職中の社会保険料の取扱い」を明記しておくと、トラブル防止に効果的です。
休職中の従業員がそのまま退職し、立替金の回収が困難になるケースもあります。
この場合、会社は以下の対応を検討することになります。
立替金が高額になるリスクを避けるため、毎月の振込または受領委任払いを原則とし、立替は最終手段とすることが企業側のリスク管理として重要です。
「払えないから払わない」という選択は、将来的に大きなリスクをもたらします。
会社との関係悪化、立替金の請求、最悪の場合は給与差押えや社会保険の資格喪失につながる可能性もあります。リスクを正しく理解し、早めに対処しましょう。
社会保険料を払わないと、会社が立て替えることになり、会社との信頼関係が悪化します。
立て替えた分は後日請求され、退職時に退職金から相殺されたりします。最悪の場合は法的措置(訴訟)に発展することもあるので注意しましょう。就業規則に立替金返済の条項がある場合、退職金からの控除も可能です。
会社は従業員負担分も含めて社会保険料を納付する義務があるため、立替が発生すること自体は避けられません。しかし、事前の相談もなく支払いを放置すると、復職後の職場関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
社会保険料の滞納が続くと、会社全体の社会保険料滞納につながります。延滞金の発生、財産調査、最終的には差押えに至る可能性も。
社会保険料の滞納から約1ヶ月後に督促状が届き、それでも支払わないと財産調査・差押えに進みます。
延滞金は納付期限翌日から3ヶ月まで年2.4%、それ以降は年8.7%です(2025年時点)。
また、厚生労働省の通達(昭26.3.9保文発619号)では、長期休職で復職見込みがない場合、被保険者資格を喪失させることが認められています。
復職後に一括で返済するのは現実的に難しいため、休職中から返済計画を立てておくことが重要です。
休職が6ヶ月続くと、社会保険料だけで20〜30万円の未払いが発生することもあります。復職後の給与から全額控除すると生活が成り立たなくなります。
会社と相談し、給与や賞与からの分割控除など、無理のない返済方法を決めておきましょう。賃金からの控除には労使協定と本人同意が必要なため、事前に取り決めておくとスムーズです。
休職中は社会保険料だけでなく、他の税金や保険料についても把握しておく必要があります。「何が発生して、何が止まるのか」を整理しましょう。
雇用保険料は実際に支払われた給与額に対して計算されるため、無給の休職中は発生しません。
雇用保険の被保険者資格自体は維持されるため、復職後に再度給与が発生すれば、通常通り雇用保険料が天引きされます。
なお、傷病手当金は「給与」ではないため、傷病手当金を受給していても雇用保険料はかかりません。
所得税は給与が支払われたときに源泉徴収されるため、無給であれば所得税は発生しません。
また、傷病手当金は非課税所得(所得税法第9条)のため、所得税の課税対象にはなりません。確定申告や年末調整の収入にも含める必要はありません。
ただし、休職前に受け取った給与に対しては所得税が発生しているため、年末調整や確定申告で過納付分の還付を受けられる可能性があります。
住民税は前年(1〜12月)の所得に基づいて翌年6月〜翌々年5月に課税されるため、今が無給であっても支払い義務が発生します。
休職中は給与天引き(特別徴収)ができなくなるため、以下のいずれかの方法で支払うことになります。
住民税の滞納は延滞金の発生や差押えにつながるため、社会保険料と合わせて人事に確認しておきましょう。
休職中に支払った社会保険料は、年末調整や確定申告で「社会保険料控除」として所得から差し引くことができます。
特に休職中で収入が少ない場合、確定申告をすることで税金の還付を受けられる可能性があります。
休職中でも在籍している場合、会社で年末調整が行われます。休職中に自分で支払った社会保険料は、社会保険料控除として計算に含められます。
無給の場合の源泉徴収票は、支払金額・源泉徴収税額は「0円」に。社会保険料のみが記載されます。摘要欄に「休職中につき無給」などと記載されることもあります。
なお、傷病手当金は非課税所得のため、年末調整・確定申告の収入には含めません。
年末まで在籍していれば会社で年末調整が行われますが、以下のケースでは確定申告が必要です。
休職中に多額の医療費を支払った場合、確定申告をすることで税金の還付を受けられる可能性があります。医療費控除は年末調整では適用できないため、確定申告が必要です。
最後に、休職中の社会保険料についてよく検索される疑問をQ&A形式でまとめました。
主に3つの方法があります。①毎月会社に振り込む ②傷病手当金から支払う ③会社に立て替えてもらい復職後に返済する。
会社によって対応が異なるため、人事・総務部門に確認しましょう。
月収30万円の場合で月額約4万円程度(健康保険料+厚生年金保険料の自己負担分)が目安です。40歳以上の方は介護保険料も加わるため、さらに高くなります。
産休・育休中は届出により免除されますが、病気やケガ、うつ病などによる休職では免除されません。
傷病手当金を受給していても社会保険料は通常通り支払う必要があります。
いいえ、通常通り労使折半です。従業員が支払うのは自己負担分(約半分)のみで、会社負担分を払う必要はありません。「休職中は全額自己負担」は誤解です。
まず会社に相談しましょう。分割払いや猶予に応じてもらえる場合があります。
また、傷病手当金を申請していない場合は早急に手続きしてください。
傷病手当金は給与の約2/3が最長1年6ヶ月支給されます。
会社が立て替えることになり、後日請求されます。退職時に退職金から相殺されたり、最悪の場合は法的措置に発展することもあります。
会社との信頼関係も悪化するため、早めに相談しましょう。
傷病手当金から自動的に差し引かれるわけではありません。ただし、会社が傷病手当金の受取先になっている場合(受領委任払い)は、社会保険料を差し引いた残額が本人に支給されます。
この方法を取るには本人の同意(委任状)が必要です。詳しくは「傷病手当金と社会保険料の関係」をご覧ください。
休職中も厚生年金の被保険者資格は維持され、保険料の支払いは継続します。加入期間は途切れず、休職前の標準報酬月額が将来の年金額に反映されるため、「払い損」にはなりません。
詳しくは「休職中の厚生年金はどうなる?」をご覧ください。
休職して給与がゼロになっても、社会保険料の支払いは止まりません。まずは傷病手当金の申請を最優先し、支払い方法を人事と取り決めましょう。
払えない場合も放置せず早めに相談することが、安心して療養に専念するための第一歩です。