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更新日:2026年03月16日
青色申告をしている個人事業主やフリーランスの中には、「忙しくて帳簿をつけていなかった」という人もいるかもしれません。
帳簿をつけていないと、推計課税や加算税、青色申告の取消しなど深刻なペナルティを受けるリスクがあります。しかし、今からでも対処できる方法はあるので、放置せず行動することが大切です。
本記事では2026年3月時点の最新情報をもとに、青色申告で帳簿をつけていない場合に起こるリスクと、今からできる対処法、帳簿の付け方までわかりやすく解説します。
目次
青色申告で帳簿をつけていない場合、税務上のさまざまなペナルティを受けるリスクがあります。個人事業主やフリーランスが知っておくべき主なリスクは以下の4つです。
帳簿がない状態で税務調査を受けると、税務署は正確な所得を把握できないため、「推計課税」という方法で税額を計算します。推計課税とは、同業種・同規模の事業者の利益率や、取引先の支払調書などをもとに、税務署が所得を推計する仕組みです。
所得税及び法人税における推計課税とは、税務署長が更正又は決定をするに当たって、直接資料によらず、各種の間接的な資料に基づいて推計により所得金額を認定する方法をいう。
引用:推計課税訴訟における民訴法第312条の文書提出義務について
推計課税では経費が十分に反映されないことが多く、実際よりも高い所得として計算されやすいという問題があります。帳簿がなければこの推計に対して反論する根拠がないため、そのまま高額な税金を支払うことになりかねません。
帳簿をつけていないことが原因で申告内容に誤りがあった場合、追加で加算税が課されるペナルティがあります。主なペナルティの種類と税率は以下の通りです。
| 加算税の種類 | 税率 | 適用される場面 |
|---|---|---|
| 過少申告加算税 | 10%(期限内申告税額か50万円のいずれか多い金額を超える部分は15%) | 申告した税額が実際より少なかった場合 |
| 無申告加算税 | 税務調査後の場合:15%(50万円超は20%、300万円超は30%) | 期限内に確定申告をしなかった場合 |
| 重加算税 | 35〜40% | 悪質な隠蔽・仮装が認められた場合 |
| 帳簿不備による加重措置 | 通常の加算税に+5%または+10% | 帳簿の不記載・不保存がある場合 |
令和5年分の所得税(法定申告期限:令和6年3月15日)以降は、帳簿に記載すべき事項に関する申告漏れに対して、通常の加算税に5%または10%が加重される制度が適用されています。帳簿をつけていないだけで、ペナルティがさらに重くなる可能性があるため注意が必要です。
課税事業者の個人事業主やフリーランスの場合、帳簿と請求書等を適切に保存していなければ、消費税の仕入税額控除が認められません。仕入税額控除が使えないと、経費に含まれる消費税を差し引けず、売上にかかる消費税をそのまま納付することになります。
消費税法上、仕入税額控除を受けるためには帳簿と適格請求書(インボイス)の保存が要件とされています。インボイス制度の導入後、この要件はより厳格になっているため、帳簿の保存がこれまで以上に重要になっています。
帳簿の備付け・記録・保存が適切に行われていない場合、所得税法第150条に基づき、青色申告の承認が取り消される可能性があります。青色申告が取り消されると、最大65万円の青色申告特別控除、純損失の3年間繰越控除、青色事業専従者給与の経費算入といった特典をすべて失うことになります。
取消しの通知を受けた日から1年を経過した日以後に再申請が可能となり、青色申告を行おうとする年の3月15日までに承認申請書を提出する必要があります。帳簿の不備は、節税メリットの大きな損失につながります。
青色申告の65万円控除を受けている人が取り消されると、所得税率20%の場合で約13万円、住民税と合わせると約20万円の税負担が増える計算になります。帳簿をつけていないリスクは金額に換算すると決して小さくありません。
「帳簿がないと確定申告できないのでは」と不安に思う個人事業主やフリーランスも多いでしょう。結論からいうと、帳簿がなくても確定申告書を提出すること自体は可能です。ただし、法律上は帳簿の作成が義務付けられている点を理解しておきましょう。
確定申告書の提出自体は帳簿の有無を要件としていないため、帳簿がなくても申告書を提出することはできます。しかし、帳簿なしでは収入や経費の正確な金額を把握できないため、申告内容に誤りが生じやすくなります。
帳簿未作成のまま申告した場合、税務調査の際に正確な所得を証明できず、推計課税や加算税のリスクが高まります。申告できるからといって安心せず、今からでも帳簿をつけ始めることが大切です。
2014年1月以降、事業所得・不動産所得・山林所得のあるすべての個人事業主は、青色申告・白色申告を問わず、記帳と帳簿等の保存が義務付けられています。所得税法第148条(青色申告)および第232条(白色申告)により、記帳義務が法定されています。
青色申告者は、原則として正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳を行うこととされています。複式簿記による記帳に当たっては、市販の会計ソフトを利用することで、簡単にかつ負担なく記帳をすることができます。
引用:記帳や帳簿等保存・青色申告
以前は所得300万円以下の白色申告者には記帳義務がありませんでしたが、2014年の改正により現在は全員に義務があります。青色申告の場合は複式簿記(55万円控除、e-Tax利用時は65万円控除)または簡易簿記(10万円控除)、白色申告の場合は簡易な記帳が求められます。
「帳簿が面倒だから白色申告に切り替えよう」と考える人もいますが、白色申告でも帳簿の「作成」と「保存」の義務自体は免除されません。白色申告は簡易簿記(単式簿記)で足りるため帳簿の負担は軽くなりますが、青色申告特別控除は受けられません。
一方、青色申告で会計ソフトを使えば複式簿記も自動化でき、帳簿付けの負担は白色申告とほぼ変わりません。最大65万円の控除や損失の繰越しなどの特典を失うデメリットを考えると、白色申告への切り替えは得策ではないでしょう。
帳簿をつけていなかった場合でも、今から行動すれば状況を改善できます。以下の手順で対処していきましょう。
帳簿をつけていなかった場合にまずやるべきことは、手元にある領収書、レシート、通帳、クレジットカード明細など取引を証明できる書類をできるだけかき集めることです。
帳簿がなくても、これらの原始記録があれば後から帳簿を再構築できます。銀行通帳やクレジットカード明細は取引の日付と金額が記録されているため、帳簿作成の基礎資料として有効です。
領収書がない場合でも、出金伝票やメモで記録を残す方法もあります。ただし、税務署に認められるかは状況次第なので、できるだけ正式な書類を集めるようにしましょう。
集めた書類をもとに、月ごとの売上・仕入・経費を集計して帳簿を再現しましょう。完璧でなくても、できる範囲で数字を整理しておくことが税務調査対策として重要です。
月単位での集計があれば確定申告書の作成が可能になり、年間の所得を算出できます。
集計が完全でなくても、帳簿を作ろうとした誠実な姿勢は税務調査時の心証に一定のプラスとなる場合があります。とはいえ、ペナルティが免除されるとは限らないので、まずはできる限り正確な記録を付け直すことが大切です。
長期間にわたって帳簿をつけていなかった場合でも、遡れる範囲で記録を残すことが大切です。税務調査で追徴されるのは原則過去5年分(悪質な場合は最長7年分)なので、直近の分から優先的に整理しましょう。
帳簿がない状態での確定申告は自力では限界があります。不安がある場合は、税理士に早めに相談するのが最善策です。
税理士は帳簿がない状態からでも、手元の資料をもとに適切な申告書の作成をサポートできます。また、税理士が代理で申告し、書面添付制度を利用すると、税務調査前に税理士への意見聴取が行われるため、調査省略となるケースもあります。
自力で不正確な申告をするよりも、専門家に依頼して正しい申告をする方が結果的にペナルティを抑えられるケースが多いです。税務調査の通知を受けた後でも、税理士に立会いを依頼することで不利益を最小限に抑えることが可能です。
残り時間によって取るべき行動は異なります。それぞれの状況に応じた対処法を確認しましょう。
いずれの場合も、放置するよりも早めに行動することがペナルティを最小限に抑える鍵です。
帳簿をつけ始めるにあたって、まず必要な帳簿の種類を理解しておくことが大切です。ここでは、青色申告に必要な帳簿の種類、手書きでの記帳方法、会計ソフトの活用法を解説します。
青色申告で必要な帳簿は、控除額によって異なります。65万円控除(e-Tax利用時)/55万円控除を受けるには複式簿記による「主要簿」の作成が必須です。10万円控除の場合は簡易簿記で足ります。以下の表で必要な帳簿を確認しましょう。
| 分類 | 帳簿の名称 | 内容 | 65万円控除 | 10万円控除 |
|---|---|---|---|---|
| 主要簿 | 仕訳帳 | すべての取引を日付順に記録 | 必須 | 不要 |
| 主要簿 | 総勘定元帳 | 勘定科目ごとに取引を分類・記録 | 必須 | 不要 |
| 補助簿 | 現金出納帳 | 現金の収入・支出を記録 | 必要に応じて | 該当取引がある場合 |
| 補助簿 | 売掛帳 | 売掛金の発生・回収を記録 | 必要に応じて | 該当取引がある場合 |
| 補助簿 | 買掛帳 | 買掛金の発生・支払いを記録 | 必要に応じて | 該当取引がある場合 |
| 補助簿 | 経費帳 | 必要経費を科目別に記録 | 必要に応じて | 該当取引がある場合 |
| 補助簿 | 固定資産台帳 | 固定資産の取得・減価償却を記録 | 必要に応じて | 該当取引がある場合 |
帳簿の保存期間は原則7年間です。領収書などの現金預金取引等関係書類は帳簿と同じく7年間※、請求書・見積書・納品書などのその他の書類は5年間の保存が必要です。
※前々年分の事業所得及び不動産所得の金額が300万円以下の方は、5年
帳簿のフォーマットに法的な規定はなく、手書きでもExcelでも会計ソフトでも、必要事項(日付・摘要・金額)が記録されていれば有効です。帳簿は手書きノートでもつけることができます。
ダイソーやセリアなどの100均では「金銭出納帳」として使えるノートが110円(税込)程度で販売されており、白色申告の簡易簿記にはそのまま活用できます。文具店や書店でも、個人事業主向けの帳簿ノートが数百円から購入可能です。
ただし、手書きには計算ミスが起きやすいこと、修正に手間がかかること、取引量が多いと負担が大きくなることなどのデメリットがあります。取引件数が月に数十件以上ある場合は、会計ソフトの導入を検討した方がよいでしょう。
手書きで帳簿をつける場合の基本的な記入項目は、「日付」「勘定科目」「摘要(取引の内容)」「金額」の4つです。1取引1行で記入し、毎日または週単位でまとめて記帳すると継続しやすくなります。
帳簿付けを無理なく継続するなら、会計ソフト・アプリの活用がおすすめです。個人事業主やフリーランス向けの主要サービスには、以下の3つがあります。
マネーフォワードクラウド確定申告:連携サービス数が豊富。家計簿アプリとの連携も可能
クラウド会計ソフトは銀行口座やクレジットカードと連携し、取引データを自動で取り込み・仕訳します。手入力の手間が大幅に減るだけでなく、複式簿記の知識がなくてもソフトの案内に従って入力すれば、65万円控除に必要な帳簿が自動的に作成されます。
帳簿付けが面倒で後回しにしてしまう人こそ、会計ソフトを導入して記帳を自動化することが、帳簿未記帳を防ぐ最も効果的な方法です。
青色申告の帳簿について、よくある疑問をまとめました。帳簿をつけていない状況で不安を感じている人は、ぜひ参考にしてください。
税務調査で追徴されるのは原則過去5年分(悪質な場合は最長7年分)です。20年分すべてを遡って追徴されることはありませんが、税務調査が入れば直近数年分の加算税・延滞税は免れません。
国税通則法第70条で更正・決定の期間制限が定められており、原則5年、偽りその他不正の行為があった場合は7年とされています。
今からでも帳簿をつけ始め、不安がある場合は税理士に相談することをおすすめします。
バレる可能性は高いです。税務署はKSKシステム(国税総合管理システム)で申告データを分析しており、取引先の申告内容や支払調書とのクロスチェックで不整合を検出できます。
さらにマイナンバー制度による所得の名寄せや、インボイス制度による取引の可視化が進んでおり、以前より捕捉されやすくなっています。
適当な申告は加算税・重加算税の対象となり、結果的に大きな損失になるため、正しい申告を行いましょう。
一刻も早く期限後申告を行いましょう。自主的に期限後申告をすれば、法定申告期限から1ヵ月以内かつ一定の要件を満たす場合に無申告加算税が不適用となるケースがあります。
5 期限後申告であっても、次の要件をすべて満たす場合には無申告加算税はかかりません。
引用:No.2024 確定申告を忘れたとき
(1) その期限後申告が、法定申告期限から1か月以内に自主的に行われていること。
(2) 期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること。
なお、一定の場合とは、次のイおよびロのいずれにも該当する場合をいいます。
イ その期限後申告に係る納付すべき税金の全額を法定納期限(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること。
ロ その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税または重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。
放置するほど延滞税が日割りで膨らみ、悪質と判断されれば重加算税(35〜40%)の対象にもなります。
まずは手元の資料をもとに概算でも申告書を作成し、必要に応じて税理士に相談してください。
帳簿は確定申告時に税務署へ提出するものではありません。自宅や事業所で保存しておき、税務調査の際に提示を求められたら見せるものです。
保存期間は、青色申告の場合は帳簿7年間、白色申告の場合は法定帳簿7年間・任意帳簿5年間と定められています。
提出義務はありませんが、適切に保存しておかなければペナルティの対象になるため注意してください。
まず税理士に速やかに連絡して立会いを依頼してください。そのうえで調査日までに領収書・通帳など手元の資料をかき集め、可能な範囲で帳簿を再構築しましょう。
絶対にやってはいけないのは書類の隠蔽・仮装です。発覚すれば重加算税(35〜40%)の対象になり、刑事罰のリスクもあります。
帳簿がないことを正直に伝え、誠実に対応する姿勢が重要です。
※本記事の情報は2026年3月時点のものです。法令や制度は改正されることがありますので、最新の情報は国税庁のウェブサイト等でご確認ください。
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