「ウチは大した財産ないから揉めないよ。大丈夫だよ。」
このようなお話を耳にすることがありますが、果たして本当でしょうか?
下図は、令和4年の司法統計から遺産分割事件(調停または審判)として成立したものの金額別の分析となります。
「ウチは大した財産ないから揉めないよ。大丈夫だよ。」
このようなお話を耳にすることがありますが、果たして本当でしょうか?
下図は、令和4年の司法統計から遺産分割事件(調停または審判)として成立したものの金額別の分析となります。
1,000万円以下の事件と5,000万円以下の事件を合算すると77.64%と実に8割近くを占める結果となっており、「財産が少ないから揉めない」とは限らないことを示唆するものとなっております。
家族で揉めないようにするためには、
① 生前に家族会議などを行っておく。
② 遺言書を作成して受け継ぐ方を指定しておく。
③ なぜそのような遺言にしたかのご自身の想いを残しておく。(付言事項など)
ことが肝要であると考えられます。
とはいえ、ご子息が遠方に住まいを構えてなかなかコミュニケーションが取りづらかったり、人によっては海外でのお仕事をされる方もいらっしゃるでしょう。
また、なかなか生前に想いを伝えるのが気恥ずかしいと感じてしまう方もおられるかもしれません。
理想としては①②③の手順のすべてを踏めるのが望ましいでしょうが、難しい場合には、②③だけでも行っておいてはいかがでしょうか?
生命保険等の保険加入率は、日本では世帯加入率が実に9割近くに上るそうです。
皆様は、なぜ保険に加入されているのでしょうか?
万が一があった場合のご自身の生活の安寧や、家族が困らないようにするためではないでしょうか?
遺言書と聞くと何か抵抗感を感じてしまう方もおられるでしょうが、保険の加入と同様に「ご自身の今後の生活の安寧や将来の家族の安心のため」にも、遺言書を作成しておきましょう。
(文責:朝比奈 宏)