~贈与契約書の作成日が贈与成立日とは限らない?~

現金や株式、その他の動産などについては、贈与契約書に署名押印等をした日付が贈与の成立日と考えられます。

なお、株式の贈与等の場合には同日以前に定時株主総会や臨時株主総会の承認を得て、株主総会議事録を作成するようにしておきましょう。

では、土地や建物などの不動産の『贈与』の場合はどうでしょうか?

不動産の「売買」の場合は、代金の決済時期(または売買契約の締結時)にその取引が成立したものとして取り扱われます。

しかし、不動産の『贈与』については、法務局での手続きを経て土地謄本や建物謄本の名義変更が完了し、初めて所有権が変わったという〔公示力〕を有することとなります。

贈与契約の成立も〔公示力〕を有することとなる、『名義変更の不動産登記が完了した時点で成立』するものとして取り扱われております。

不動産の登記申請手続は通常、1週間程度は要するものと考えられ、繁忙期である12月や3月においては、登記申請が集中し、地域によっては2週間以上かかるケースもあるようです。

親族間で不動産の贈与をする場合にはくれぐれも実行時期に気を付けましょう。

また、相続税の納税のために不動産を売却する場合などにも、繁忙期には留意が必要です。
被相続人の名義から相続人の名義へとする名義変更手続が遅れてしまうと、売却スケジュールに支障が出てしまうかもしれません。

財産を大きく動かす場合には、その実行時期には十分に留意をいたしましょう。

(文責:朝比奈 宏)

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