代表取締役の急逝による法人の存続か解散かの判断について

ご相談内容

株式会社の代表取締役である主人が亡くなりました。顧問税理士の先生は、今度の決算で会社をたたむべきだとおっしゃいますが、どうすべきでしょうか?
相続手続きに加え、会社をたたむ手続もとなると、初めてのことばかりで不安になります。
また、米国にも事務所を構えており、その土地建物は主人の個人名義となっています。
これらの手続や、遺産の分け方はどうすればよいでしょうか?

現状分析と改善策

具体的な原因

代表取締役であるご主人が、主要な営業活動の大半を担っており、奥様は役員登記をされているものの、少数の従業員とともに主に事務方としての仕事をされている状況でした。
そのため、従前の会社事業としての継続は困難であり、顧問税理士の先生からは、残務整理後の解散を強く勧められておられました。
しかし、ご主人と奥様の長きにわたる経営努力の結果、会社資金が潤沢に残されており、ご主人への死亡退職金を支給しても、払込資本を上回る利益の余剰が残る状況であり、ただちに会社を清算してしまうと、みなし配当課税により相続人に多額の所得税生じてしまう可能性がありました。

解決策

30期を超える会社を創業から支えられた奥様にも多額の退職金を支給できる可能性があることなどから、しばらくは会社を存続し、みなし配当課税による多額の所得税負担を回避することとなりました。
個人所有の不動産貸付物件もお持ちであったため、当面は不動産管理事業法人として継続し、相続手続きや残務整理が落ち着き、ご負担を感じないタイミングで、会社の存続か解散かを再検討いただく運びとなりました。
遺産の分け方については、こちらから個別具体的な内容をご提示できないため、奥様の取得割合が30%の場合、40%の場合、50%の場合などの二次相続までを含めた相続税額の試算を行い、税務参考情報として提供させていただきました。
その結果、徐々に遺産の分け方についての相続人同士の話し合いが進み始め、無事に遺産分割協議を終えることが出来ました。
また、米国その他の海外資産等についても、相続診断士会のお付き合いを通じた行政書士の方との提携や、ご紹介いただいた弁護士の方との協業により、無事名義等変更を終えることができました。

まとめ

日本や米国での相続税申告など期限が限られたものは、その期限までに手続等を進める必要がありますが、時間をかけて手続きが可能なものであれば、ご遺族に寄り添い、そのご心情・ご負担に配慮をすることも大事であると思います。
HOPグループでは、グループ内の専門家の協力はもちろんのこと、提携の専門家との協業により、相続に関連する事象に幅広く対応しております。ご生前の相続対策相談なども承っておりますので、お気軽にご相談ください。

(文責:朝比奈 宏)

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