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更新日:2026年2月16日
「固定残業代」と「みなし残業代」の違いがわからず、転職活動や就職活動で不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、固定残業代とみなし残業代は同じ制度を指す異なる呼び方であり、実質的な違いはありません。
どちらも「一定時間分の残業代をあらかじめ給与に含めて支払う制度」のことです。
本記事では、固定残業代とみなし残業代の違いを明確に解説します。固定残業代のある会社への転職を検討している人や、自分の会社の制度について理解を深めたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次
固定残業代とみなし残業代は、同じ制度を指す異なる呼び方です。
どちらも「一定時間分の残業代をあらかじめ給与に含めて支払う制度」のことを指しています。
厚生労働省は2018年1月の職業安定法指針で「一定時間分の時間外労働、休日労働及び深夜労働に対して定額で支払われる割増賃金」を「固定残業代」と定義しています。
みなし残業代はその別称であり、法的な違いはありません。
固定残業代とは、実際の残業時間に関わらず、一定時間分の残業代をあらかじめ給与に含めて支払う制度です。
基本給に組み込む方法や、固定残業手当として別途支給する方法があります。
厚生労働省は「一定時間分の時間外労働、休日労働及び深夜労働に対して定額で支払われる割増賃金」と定義しています。
毎月の給与計算を簡素化し、従業員の収入を安定させる目的で導入されることが多いです。
なお、設定した時間を超えた残業には追加で残業代が支払われます。
固定残業代は残業代の「上限」ではなく「最低保証」としての性質を持っている点が重要です。
みなし残業代は固定残業代の別名であり、「あらかじめ残業があるとみなして支払う」という意味から名付けられた呼称です。
企業によって「固定残業代」「みなし残業代」「定額残業代」など呼び方が異なりますが、制度の内容は同一。
求人票や労働条件通知書での表記が企業によって異なるため、複数の呼称が存在しています。
法律上は特定の名称が定められておらず、実務上の慣習で呼び方が分かれているだけです。
どの名称で呼ばれていても内容は変わりません。
両者は完全に同じ意味を指します。「固定残業代」「みなし残業代」「見込み残業代」「定額残業代」はすべて同一の制度です。
厚生労働省の公式資料でも「固定残業代」として統一的に定義されており、企業の就業規則や求人票での表記の違いに過ぎません。
法的な取り扱いや権利義務に違いはないため、「固定残業代とみなし残業代、どちらが良いか」と悩む必要はありません。
これらはすべて同じ制度を指す異なる呼び方です。
固定残業代と混同されやすい用語として「見込み残業」「みなし労働時間制」「裁量労働制」があります。
特に「みなし残業代」と「みなし労働時間制」は名称が似ているため混同されやすいですが、全く異なる制度です。
この違いを理解することで、自分の会社がどの制度を採用しているか正確に把握できるようになります。
見込み残業も固定残業代・みなし残業代と同じ意味で使われる別名です。実質的な違いはありません。
「見込んで(あらかじめ予測して)支払う」という意味から付けられた呼称です。求人サイトや企業によって使用する名称が異なるだけで、制度の内容は同じ。。
法的な定義や取り扱いにも違いはありません。
みなし労働時間制は全く別の制度で、「労働時間の算定方法」に関するものです。
固定残業代は「残業代の支払い方法」であり、根本的に異なります。
| 項目 | 固定残業代 | みなし労働時間制 |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 残業代の支払い方法 | 労働時間の算定方法 |
| 法律上の根 拠 | 法律で定められた制度ではない | 労働基準法38条の2〜4 |
| 対象業務 | 業種・職種を問わず導入可能 | 事業場外労働・裁量労働に限定 |
| 残業代の扱い | 定額で支払い、超過分は追加支給 | みなし時間に基づき計算 |
みなし労働時間制は労働基準法38条の2〜4に規定される法定制度です。事業場外で働く従業員や裁量労働制の対象者に適用されます。
一方、固定残業代は法律で定められた制度ではなく、残業代の支払い方法の一つに過ぎません。
裁量労働制はみなし労働時間制の一種であり、固定残業代とは別の概念です。
裁量労働制は「専門業務型」と「企画業務型」の2種類があり、対象となる業務が法律で限定されています。
令和3年の調査によると、みなし労働時間制を採用する企業のうち、専門業務型裁量労働制は2.0%、企画業務型は0.4%にとどまっています。
一方、固定残業代は業種・職種を問わず導入可能で、単なる残業代の支払い方法です。裁量労働制が適用されている人でも、固定残業代が設定されている場合もあります。
固定残業代の計算方法と基本給との関係を理解することは、自分の給与を正しく把握するために重要です。
基本給と固定残業代は明確に分けて表示する必要があり、これが曖昧な場合は違法となる可能性があります。
固定残業代は「時間単価×みなし残業時間数×割増率(1.25倍以上)」で計算されます。
例えば、時給換算1,500円で20時間分の固定残業代を設定する場合。1,500円×20時間×1.25=37,500円となります。
労働基準法第37条により、時間外労働には25%以上の割増賃金が必要です。2023年4月からは中小企業でも月60時間超の時間外労働には50%以上割増が必要となりました。
固定残業代は基本給とは別に表示・支給されるべきものです。「基本給に含む」という曖昧な表記は違法となる可能性があります。
厚生労働省のガイドラインでは、「固定残業代を除いた基本給の額」を明示することが求められています。
日本ケミカル事件(最高裁平成30年7月19日判決)でも、基本給と固定残業代の区別の明確性が重要視されました。
また、賞与や退職金は基本給を基礎に算定される企業が多いです。そのため、基本給が低いとこれらも減少する可能性があります。
求人票を見る際は、総支給額だけでなく基本給の額も確認することが望ましいでしょう。
みなし残業時間を超えた分は、追加で残業代が支払われます。
固定残業代は「残業代の上限」ではなく「最低保証」の性質を持つものです。
厚生労働省のガイドラインでも「固定残業時間を超える時間外労働分についての割増賃金を追加で支払う」ことの明示が求められています。
固定残業代を払えばいくらでも残業させられるという考えは誤りです。超過分を払わない場合は労働基準法違反となります。
従業員視点で最も気になるのが「残業しない場合」「定時で帰る場合」の扱いです。
結論として、残業しなくても固定残業代は全額支給されます。定時で帰ることは法律上全く問題ありません。
実際に残業しなくても、固定残業代は全額支給されます。
固定残業代は「あらかじめ設定した時間外労働分の賃金をまとめて支払う制度」です。そのため、実際の残業時間が設定時間より少なくても減額されることはありません。
残業が少ない月にも一定額の固定残業代がもらえるため、給料が安定するというメリットがあります。
効率よく仕事をすれば、通常の残業代計算(実際の残業時間×割増賃金)よりも得になる可能性も。
無理に残業する必要はなく、業務を効率的に終わらせて定時に帰ることは何も問題ありません。
定時で帰ることは法律上全く問題なく、むしろ効率的に働いているといえます。
「固定残業代=残業が前提」という考えは誤解です。
固定残業代は残業を強制する制度ではなく、あくまで残業代の支払い方法に過ぎません。
「20時間分の残業代があるなら20時間残業しないと給料泥棒」という考えは制度の趣旨と異なります。
労働基準法上、業務命令がない限り残業する義務はありません。与えられた業務を定時内で終わらせることができれば、それは仕事ができる証拠。
堂々と定時で帰って問題ありません。
定時後の会議も残業時間としてカウントされます。
みなし残業時間を超えれば追加で残業代が支給される仕組みです。
労働時間とは「使用者の指揮命令下に置かれている時間」と定義されます。
会議への参加が義務付けられている場合は労働時間に該当し、固定残業代の対象時間としてカウント。
みなし残業時間を超える労働には追加で割増賃金が発生します。定時後の会議が多い場合は、超過分の残業代が適切に支払われているか確認することが重要です。
固定残業代制度自体は違法ではありませんが、運用方法によっては違法となるケースがあります。
自分の会社の状況を確認しておきましょう。
固定残業代を除いた基本給が最低賃金を下回ると違法となります。
最低賃金法では「時間外労働等の割増賃金を除いた賃金額」が最低賃金額以上である必要があります。
「基本給+みなし残業代」の合計ではなく、通常労働分の賃金だけで判断されます。
2025年度の全国平均最低賃金は1,121円で、全都道府県で初めて1,000円を突破しました。
東京都は1,226円、神奈川県は1,225円と高水準です。裁判例でも、基本給のみが最低賃金を下回る場合は固定残業代が無効と判断されています。
月45時間を超えるみなし残業時間の設定は、36協定の上限規制に抵触する可能性があり、注意が必要です。
36協定の上限は原則として月45時間、年間360時間。
固定残業時間は36協定に抵触しないよう45時間以内に設定するのが妥当とされています。
月80時間のような極端な設定は無効とされる可能性が極めて高いです。
求人票で固定残業時間が40時間以上の場合は、長時間労働が常態化している可能性があるため注意が必要です。
固定残業代の金額・時間数・超過分の支払いについて就業規則や雇用契約書に明記がないと、固定残業代として無効となる可能性があります。
日本ケミカル事件(最高裁平成30年7月19日判決)で、契約書等の記載内容の明確性が重要視されました。
厚生労働省のガイドラインでは、以下の3点の明示が求められています。
労働基準法第15条で労働条件の明示が義務付けられており、これらの明示がない場合は違法となります。
「固定残業代がある会社はやめたほうがいい」という声を聞いたことがある人もいるでしょう。
しかし、制度自体が悪いわけではなく、不適切な運用や制度への誤解が問題の原因です。
固定残業代込みの総額と他社の基本給を比較すると、基本給だけが低く見えることがあります。
求人票の表記方法により、同じ総額でも「基本給25万円」と「基本給20万円+固定残業代5万円」では印象が異なります。
また、賞与や退職金は基本給を基礎に算定する企業も多いです。そのため、基本給が低いとこれらも減少する可能性があります。
求人票を見る際は総支給額だけでなく、基本給の額と固定残業代の内訳を確認することが重要です。
固定残業代があるから残業が多いわけではなく、制度と実際の労働環境は別問題です。
適切に運用されている会社も多くあります。
固定残業代は残業を強制する制度ではありません。
残業時間が多いかどうかは会社の業務量や効率化の問題であり、制度とは無関係です。
むしろ効率的に働けば、固定残業代がない場合より得になることもあります。
ホワイト企業でも固定残業代を導入しているケースは多いです。そのため、「固定残業代=ブラック企業」という図式は正しくありません。
「ずるい」という声は制度への誤解や、一部企業の不適切な運用への不満が原因です。
「残業代を払わないための制度」という誤解がありますが、実際は超過分は追加支給されます。
一部の企業が超過分を払わないなど不適切な運用をしているケースがあり、それが制度全体への不信感につながっているのです。
また、同僚より早く帰る人が固定残業代をもらっていることに、感情的な不満を抱くケースもあります。これは制度の問題ではなく、効率的に働いている人が得をする正当な仕組みです。
固定残業代がある会社の良し悪しを見分けるポイントを押さえておくことは、就職・転職活動において重要です。
「固定残業代=ブラック」ではありませんが、見分けるためのチェックポイントがあります。
みなし残業時間が10〜25時間程度で、超過分を適切に支払い、基本給と固定残業代の内訳が明確な会社は信頼できます。
実際に安心できるのは、固定残業時間を月10~20時間程度に抑えているケースです。
OpenWorkの調査によると、日本企業の平均残業時間は約24時間。そのため、25時間以内ならホワイト企業の目安となります。
超過分の支払い実績があり、求人票に明確な内訳が記載されている会社は適正運用の可能性が高いでしょう。
みなし残業時間が40時間以上、基本給との内訳が不明確、超過分の支払いについて曖昧な回答をする会社は要注意です。
固定残業時間が30時間以上の場合は、長時間残業を前提にしている可能性があります。実際の時間外労働が36協定の上限を超えていないか確認が必要です。
超過分の支払いについて曖昧な回答をする会社は、違法運用の可能性があるため避けた方が良いでしょう。
入社前に以下の4点を必ず確認しましょう。
労働条件通知書で固定残業代の詳細を確認できます。
面接時に「超過分は支払われますか」と質問し、明確な回答を得ることが重要です。
口コミサイトや転職エージェントを通じて実際の残業時間を調査することも可能。
これらの情報を事前に確認することで、入社後のトラブルを防ぐことができます。
最後に、固定残業代とみなし残業代に関してよくある質問をまとめました。
固定残業代も給与所得として扱われるため、社会保険料(健康保険・厚生年金)の算定基礎に含まれます。基本給と固定残業代の合計額をもとに標準報酬月額が決定され、保険料が算出されます。
また、所得税・住民税の課税対象にもなります。固定残業代が高いほど社会保険料・税金の負担も増える一方、将来受け取る厚生年金の額も標準報酬月額に基づいて計算されるため、長期的にはメリットとなる場合もあります。
固定残業代の廃止や減額は、労働条件の不利益変更に該当する可能性があります。労働契約法第8条・第9条により、原則として労働者の同意なく一方的に不利益な変更を行うことはできません。
会社から固定残業代の廃止・減額を打診された場合は、代替措置(基本給への組み込み等)の有無や、実質的な収入減となるかどうかを確認しましょう。同意なく一方的に減額された場合は、労働基準監督署に相談することができます。
はい、雇用形態に関係なく固定残業代を導入することは可能です。パート・アルバイトであっても、時間外労働が発生する場合は固定残業代を設定できます。
ただし、時給制の場合は特に最低賃金との関係に注意が必要です。固定残業代を除いた時給が最低賃金を下回っていないか確認しましょう。また、雇用契約書に固定残業代の時間数・金額・超過分の支払いについて明記されている必要があります。
超過分の残業代が支払われていない場合、まずは会社の人事部門や上司に確認しましょう。それでも解決しない場合は、労働基準監督署への申告が有効です。匿名での相談も可能です。
そのほか、弁護士や社労士への相談、法テラス(法律支援センター)の利用も有効な手段です。なお、未払い残業代の請求には消滅時効があり、2020年4月以降に発生した賃金については3年間(当面の経過措置)となっています。証拠として、タイムカードや勤怠記録を日頃から保管しておくことが重要です。
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