親の相続対策

ご相談内容

父親の体調が急激に悪化してしまい、いつ相続が開始してもおかしくない状況。
相続税はかかるのか、また、かかるとしたら、財産をどう分けたら相続税を抑えられるか
知りたい。

現状分析と改善策

具体的な原因

お父様がお持ちの財産は、
1,不動産
・自宅(賃貸併用住宅)
うち、土地に関してはお母様と共有持分。
2,預貯金
不動産に関しては、土地のみお母様と共有持分で、建物に関しては単独で所有されています。
相続人は、お母様と、ご相談者であるご姉妹の計3名。家族仲は良好。
ご自宅には、お父様とお母様、ご長女様が同居されており、その一部分は、貸家として他人に貸し出しています。
預貯金は、今後の支出(医療費や葬式費用)でほとんど残らない可能性があります。
ご相談としては、できるだけ相続税を抑えた分け方、かつ、相続人全員が何かしらを相続できる分け方を知りたいとのことでした。

解決策

相続税には、配偶者は税額が軽減されるという制度があります。
この制度を利用し、配偶者が財産を多く相続することで、全体の相続税を抑えるという方法を取られる方もいらっしゃいます。
しかし、その配偶者が亡くなった時や、認知症になった時のことを考えると、相続税の問題だけでなく、あらゆる手続きができなくなるという問題も出てきます。
そのため、この配偶者の相続税の軽減という制度に関しては、被相続人の配偶者の年齢や体調を鑑みて、制度を利用するか否かの判断をする必要があります。

このご相談者様方の相続診断でも、一次相続においてお母様が全ての財産を相続した場合、配偶者の税額軽減の制度により相続税はかからないという診断結果が出ました。
しかしながらその場合には、二次相続の際に、一次相続における相続財産とお母様の保有財産を合わせた結果、多額の相続税がかかることになります。

この診断結果を受け、
⑴法定相続分通りに相続する
⑵不動産をご姉妹、預貯金をお母様が相続する
という2パターンをご提案しました。

法定相続分通りに財産を相続したと仮定し、税額を計算したところ、結果的に二次相続の際に相続税が発生する可能性があるということが明らかになりました。
対して、不動産をご姉妹で相続し、預貯金はお母様が相続するとした場合、一次相続においても、二次相続においても、小規模宅地等の特例が適用され相続税はかからないということが明らかになったのに加えて、二次相続においても、預貯金とお母様の保有財産を合わせて税額を計算しても、相続税はかからないという結果になりました。
このことをお伝えしたところ、ご相談者様方は⑵の分け方を参考に進めていけば、相続税がかかる可能性は低くなると知り、安心された様子でした。

しかしながら、不動産の共有持分には、デメリットが多く考えられます。
それらのデメリットを理解したうえで、その不動産を今後どうしていくのか、所有者同士で話し合う必要があります。
このご相談者様方はとても仲が良いご様子で、問題点は無いようにも見えます。
しかし、仲の良い家族同士でも一つ意見が食い違ってしまえば、事態は急速に悪化していきます。
そうならないために、日頃から家族や親戚同士で、相続のことを話し合うということが重要です。
このご相談者様にもこのことを伝え、理解していただいたうえで、ご自身の相続に備えて今後この不動産をどうしていくかの話し合いを定期的に行うようお伝えしました。
実際、ご相談者様方はご自身の相続のことまではまだ考えていなかったようで、お子様たちに迷惑をかけないために、後日、家族会議を開かれるとのことでした。デメリットをお伝えし、ご自身の亡き後のことまで考えるきっかけをお伝えすることができ、感謝のお言葉を頂く事ができました。

まとめ

本案件は、お父様の相続対策に関するお子様からのご相談でした。
やはり、相続をする側にとっては、被相続人の相続対策は非常に重要なものであるといえます。
HOPでは、相続税がどれくらいかかるのか、シミュレーションをしたうえで具体的な相続対策(遺言書作成、死後事務委任契約など)をご案内いたします。
是非、残される家族のためにも、相続対策を考えてみてはいかがでしょうか。

(文責:栗原 圭澄)

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