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「戦争はいやだ。勝敗はどちらでもいい。早く済みさえすればいい。
いわゆる正義の戦争よりも不正義の平和の方がいい」
これは井伏鱒二の『黒い雨』に出てくる一節です。
昭和20年8月6日、広島に原爆が投下されます。
年頃の姪の縁談が決まらないことは、広島で黒い雨を浴びたことで原爆症になるのではないかと疑念を持たれているからではないかと心配をする叔父。一般市民である彼の被爆日記を綴るという形式で8月6日から終戦までの広島の惨状が精緻に綴られます。
「ピカドンが落ちてキノコ雲が発現し、黒い雨が降る。広島と長崎で合わせて20万人超もの命が奪われた」、という表現では全く伝わってこない、世紀の大惨事を克明と伝えてくれます。
思わず文庫本を遠ざけるほど、人間が人間としてのカタチを失っている描写が延々と続くのです。まさにそのような光景だったのだろうと思うのです。
「不正義の平和」とは、戦うことの放棄を意味するのでしょうが、暴力そして原爆への批判を込めた井伏のメッセージでしょう。
原爆の父として歴史に名を残したアメリカの天才理論物理学者オッペンハイマー博士の生涯を描いた映画『オッペンハイマー』は、米国アカデミー賞7冠、日本アカデミー賞でも最優秀外国作品賞を受賞しています。ナチスドイツとの核兵器開発競争、ソ連と緊迫する対立の背景で、原爆の開発を急ぐ天才科学者たちの苦悩が描かれます。オッペンハイマーは自らの発明が世界を脅威に陥れることを自覚し葛藤しつつも、原爆を完成させます。そして、ヒロシマ、ナガサキでの作戦が成功すると英雄となりました。1億玉砕という気概を見せていた日本を降伏させ、これ以上のアメリカ兵の犠牲者を出さないという正義を実現しました。しかし、オッペンハイマーは原爆の威力を知って良心の呵責に苛まれる様子が描かれます。
ロシア、イスラエル、イラン、イラク、そしてアメリカなど世界は現在もそれぞれの正義の戦争を続けています。そして、正義はまた別の正義を生み、暴力は繰り返されるのではないでしょうか。不正義の平和(戦うことの放棄)が何をもたらすかは分かりません。豊かさを失い、尊厳を失い、死傷者が出ることもあるでしょう。しかし、不正義の平和の中からは、いつか暴力以外の方法で立ち上がる者たちが現れる可能性があるのではないでしょうか。
世界は核兵器の軍備を進め、にらみ合いを続けています。中国、ロシアの軍拡の影響を受けて、日本も防衛費の拡大が図られ、自衛のために核保有を主張する国会議員も増えているとのこと。広島と長崎の経験をもつ日本は暴力に反対し、さらに核兵器の廃絶を世界の人類のために希求し続けなければならいと、戦後80年を機に思うのです。
(文責:星川望)
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