クリニックの窓口現金の管理を改善した事例

ご相談内容

当クリニックでは、毎日患者様から現金で代金を領収します。
レジ締めが19時頃になり、また近くに銀行の店舗がないために当日銀行に入金することができません。したがって以下のような問題点があります。
・窓口担当が領収した現金を一晩保管します。
・自費診療の請求額が数十万円単位と多額になることもあり、防犯上の観点からリスクが大きいです。
・大きな金額を領収した場合、院長に渡しますが、領収した金額、院長に渡した日などを管理する手間が生じます。

 

現状分析と改善点

問題点

経理の基本は、資産(とくに現金、預金)の残高が正しく管理されることです。また、いわゆる現金商売を行う事業者は、現金について事故や不正が起こる芽を摘むことが求められます。職場は信頼関係が築かれ、普段は事故や不正は生じないと考えられることでしょう。しかし、事故や不正は予期しない状況で起こるものです。そのようなリスクを排除することが経営者の責務です。
ご相談の現状は、経営者と窓口担当の厚い信頼関係に基づく管理体制と評価できますが、
・担当者の心理的負担
・万が一事故が起きた場合の責任の所在
・忙しい経営者に預金口座に入金する作業が生じ、タイムリーに入金できるとは限らず、残高の管理が不完全となる

という問題があります。日々の現金収入は、毎日銀行口座に預け入れることが管理上望ましいですが、この事例のように毎日預け入れをすることが困難ということもあります。

改善点

そこで、以下のような改善策を提案しました。

改善策:セブン銀行の口座を開く

ちょうどクリニックの近くにセブンイレブンがあったため、セブン銀行の口座を開設し以下のような業務フローを構築しました。
・毎日レジ締め後に、窓口現金のうち、お札をまとめてセブン銀行に入金する。
・硬貨は入金できないため、窓口担当者が保管する。
・硬貨は金額が大きくなったらメインの銀行口座に入金する。
これにより、日々の窓口現金の大きな現金は銀行口座に預け入れられます。
窓口担当者の現金を預かるという負担は大幅に軽減され、また経営者もスマホアプリを通じて毎日きちんと入金されていることを確認でき、ネットバンキングで送金等も可能です。

まとめ

硬貨の管理が不完全ではありますが、現金管理のリスクマネジメントは大きく改善されたと考えられます。今回は、セブンイレブンが近くにあるという立地からセブン銀行の活用を提案しました。
バンキングサービスは次々新しいサービスが生み出されています。新サービスの調査研究を踏まえ、HOPでは、各クライアントの状況に応じ、担当者の業務負担と経営者の時間の確保を軸に業務オペレーションの改善を提案しています。

(文責:星川 望)

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