毎年8月は、年に一度の税理士試験。
今年(第74回)も8月6日~8日の日程で実施されます。
年々受験者数が減少していると言われていましたが、ここ数年は受験者数が増加しています。
受験申込者数*
本年(令和6年度):43,919名(前年比106.5%、2,663名の増加)
昨年(令和5年度):41,256名(前年比112.0%、4,404名の増加)
一昨年(令和4年度):36,852名
税制改正により令和5年度から受験資格の緩和が行われ、より多くの方が受験できるようになりました。会計科目に属する簿記論と財務諸表論については、受験資格要件が撤廃されており、誰でも受験することが可能になったおかげで申込者数が増えた要因もあるかと思います。
税理士試験は、よく「働きながら受けることができる資格試験」の代表格といわれています。この試験が「科目選択制度」と「科目合格制度」という特徴を持っています。
税理士試験は11科目中5科目合格すればよい試験です。科目の合格率は10~15%で、必ず選択しなければならない必修科目(簿記論・財務諸表論)や、どちらかを選択しなければならない「選択必修科目」(法人税法・所得税法)はありますが、5科目といってもすべて同時に受験する必要はなく、一度合格した科目に有効期限はなく生涯有効です。難易度や勉強量、将来の必要性に応じ計画性をもって受験していくことが可能です。
そのため、働きながら一科目ずつ確実に合格していけばよいわけです。病気、転職、子育てや介護などで人生のタイミングで一時、勉強を中断しても受験を再開することもできるわけです。
「AIに税理士は取って代わられる仕事」などと言われることもありますが、税理士は、税務申告や決算、記帳代行に限らず、多種多様な業務を行うことが多いです。また、業種を問わず様々な業界の中小企業の経営者とお話しするチャンスも大いにあります。何よりクライアントと共同経営者となり、会社を一緒に育てていくことができる魅力あふれる税理士の需要は下がるどころか、むしろ上がっていくのではないでしょうか、
HOPでも数人が今回の税理士試験を受験します。私も含め受験生の皆様は最後まで諦めずに全力で頑張りましょう。
(文責:中森 貴士)