会社が社会保険料未納付の場合の年末調整

会社が社会保険料未納付の場合の年末調整

今回はお勤めの会社が従業員から給与天引きした社会保険料を納付していなかった場合の年末調整について解説します。

 

2020年は特に新型コロナの影響で社会保険料につき「新型コロナウィルス感染症の影響による納付の猶予」の申請をなさっている会社も少なくないと思います。(そもそも従業員さんは勤め先がこの申請を出しているかどうかわからないかもしれませんが)

毎月支払われる給与からは社会保険料が天引きされているのに、お勤め先が上述の申請をしていた場合、果たして年末調整に際し「社会保険料控除」は使えるのでしょうか。

 

本来社会保険料控除とは所得税法第74条にて「居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払つた場合又は給与から控除される場合には、その支払つた金額又はその控除される金額を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。」と規定されております。

給与所得者に該当する部分は下線部分の「給与から控除される場合には」ということですので、会社がその控除した社会保険料を納めているか否かを問うてはいません。

ですので従業員さんは問題なく「社会保険料控除」を受けることができますのでご安心ください。

給与計算ご担当者の方も、給与ソフトなどで作成している賃金台帳の「社会保険料」の数字をそのまま使って年末調整事務を進めていただければ大丈夫です。

 

 

(文責:網野 博美)

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