毎月試算表を見て、ミーティングの時間をとるものの、数字の情報から具体的な行動目標が設定できない。
ご相談内容
現状分析と改善策
具体的な原因
月次決算を行い、毎月ミーティングの時間を設けているものの、残念ながら会計事務所の決算数値の説明が実はよく理解できない、経営に活かせていないということがあったようです。
具体的にどのような点が課題かをヒアリングすると、
①前月までの決算値のみの説明で、年間目標の進捗が見える化されていない。
②損益のみを見て黒字、赤字という報告を受けるが、資金繰りがどのようになるか、目標にすべき売上高や利益金額が分からない。
③数字の羅列や口頭の説明ではイメージが捉えにくい。
ということが挙げられました。
解決策
そこで、月次ミーティングを単なる報告の機会ではなく、月次決算数値を用いた戦術会議に変える工夫をしました。
①今後の売上と原価の具体的な見込みと予測粗利の差異分析
年間予算と今後の売上と原価の具体的な見込みを照らし合わせて、より精度の高い損益予測を共有することにしました。これにより、目標利益の達成までの不足額や売上獲得の必要性を具体的に把握頂けるようになりました。
②資金繰りベースでの目標利益の設定
借入返済は経費にならない大きな支出です。将来の資金繰りを予測し、資金が無理なく回るために必要な利益はいくらか、それを達成する売上目標はいくらかと計算することは、会計や税務の知識が必要となります。資金繰りベースでの目標利益、目標売上を明確にすることで、社長さんに行動目標を明確にして頂けるようになりました。
③損益計算を図式化する
損益計算を図式化(数値をブロックのサイズの大小で表現)し、直感的に売上高、原価、販売管理費の金額をイメージして頂けるように工夫しました。この図をブロックパズルと呼んでいます。ブロックパズルにすることで、このままの売上では利益が出ても現金が減る一方だな・・・と社長さんに売上件数を増やす気持ちになって頂けました。
ブロックパズルは数字の理解を促すことができるツールです。
まとめ
月次の面談を通して、社長さんに行動目標を明確にして頂けることが我々の月次決算報告の価値です。個々の社長さんの理解度、関心に寄り添い、報告内容をカスタマイズすることでより効果的なミーティングの時間にすることができました。
決算情報を数値ではなく、図式化してみる。皆様も一度ブロックパズルで自社の決算書をご覧になりませんか。新たな打ち手のヒントが見つかるかもしれません。
(文責:春日井 智晴)
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