「行き当たりばったり経営」から事業計画を立てるところまで踏み出すことが出来た事例

ご相談内容

父から事業を承継したものの、現場に入ることも多く、売上は横ばい、利益も横ばい。
なんとなく経営をしてきていますが、市場環境の変化を懸念しています。
どうしたらよいでしょうか。

現状分析と改善策

具体的な原因

月次の打合せで試算表の数字の報告を受けても、実は、事業の性質によって売上と利益の構造が異なり、複数の事業の売上高を一緒くたに見てもピンとこないため、経営に活かせない。
漠然と先は見越せても、具体的な数値で3年後、5年後の計画をしたことがなかった。

解決策

  •  損益をまとめるための試算表の作成から「経営に活かせる管理会計」の思考による試算表の作成に改めた。
  • 事業の内容を詳細にヒアリングし、事業別の売上高と粗利を見える化した。
  • 後継者が創り出したいビジョン、実現したいことをヒアリングし、5年後の目標から逆算した毎期の利益目標を達成する事業計画を作成。

 

事業別の売上高、粗利の推移をみることで、漠然としていた市場環境のイメージ、利益構造の変化が数値として捉えることができたようです。気づきがあったようで、自らあれこれと打ち手を検討されて、具体的な行動まで列挙頂きました。
事業を承継されて、どういうビジョンを描いていますか?実現したいことは何ですか?という問いには、少し考えられてから「ここまでやってきた事業を守っていきたいんです」というお返事を頂きました。「守る」とはどういうことかをディスカッションし、将来の安定した財政状態をイメージして、そこから逆算した利益計画、それを実現する売上計画をお示しすると、行動計画を盛り込んだ事業計画まで作成することができました。

今回は、この事業計画作成までの過程で、経営者様の気づきが表情に現れ、真剣に取り組まれる様子が印象的でした。経営について漠然と「何かしなければならない」と思われていたお気持ちを、具体的に「計画」に繋げるお手伝いを出来たように思います。

まとめ

会計事務所は、税務署提出用に数字をまとめることが主たる業務になってしまいがちです。経営者の悩みに寄り添い、月次の数字を経営に活かしてもらうにはどうしたらよいか?を経営者と一緒に考えていくことで、経営者に喜んでいただける数字を提供できることになります。経営者に経営の時間を提供することが、会計事務所の真価です。
HOPの「達成される事業計画策定セッション」ではこのようなソリューションを提供しています。

(文責:池田 真紀子)

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