まだまだ厳しい残暑が続いていますが、
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
人の行動と心理について考える機会があり、とある本を読みました。
そんな、読んだ本のお話をさせていただければと思います。
行動経済学という学問があるそうです。
これは人々が経済的決定を下す際に、どのような心理的・感情的・認知的要因が影響するかを研究する経済学と心理学が融合した学問です。
従来の経済学では、人間は常に合理的に行動すると仮定されてきました。
しかし、現実の人間は必ずしも最適な選択をするとは限りません。
行動経済学では、このように「直感や感情によって合理的ではない判断をする」ことを前提にその理由や理論を研究するのです。
行動経済学の理論の中に、私たちの日常生活の中でも、使われているものや
自分が取っている行動にも当てはまるものがありました。
■損失回避の法則
「人は損失を回避する傾向があり、状況によってその判断が変わる」というものです。
例えば、無条件で100万円もらえるのと、50%の確率で200万円もらえるのでは、期待値としては同じはずです。
しかし「もらえない」というリスクを嫌い、前者を選ぶといった心理です。
■ハロー効果
ある特定の特徴や評価が、他の様々な特徴や評価にも影響を与えるというものです。
考課制度などを採用されている場合、評価者の方は気をつけたいものの1つとして、
よく取り上げられるものでもあります。
ある一つの好意的な印象が、その人や物事全体に対する好意的な評価を引き起こすことを指します。
■ザイオンス効果
単純接触効果とも呼ばれており、人やものに接する機会が増えれば増えるほど、
それに対して好感度や評価が高まるというものです。
身近なザイオンス効果の実例はテレビCMです。
一定の期間内に何度も観ることで、最初は商品に興味のなかった視聴者も、
繰り返しCMを見ることによって徐々に興味が高まっていき、売上の向上に繋がっていきます。
■社会的証明
他者の行動や判断を参考にして、自分自身の行動や判断を決定するというもので、「他の人がそうしているなら、自分もそうすべきだ」という心理的なメカニズムに基づいています。
オンラインショッピングで、多くのレビューや高い評価がある商品を選ぶのも、社会的証明の一例です。
私も普段の業務や生活の中でも、こういった感情によって選択が変化する傾向がある前提で、伝え方や順序を変えてみたりと試行錯誤してみています。
こういった人の行動についての心理なので、ビジネスの場面でも、
お客様がどのようなことを感じて、どのような行動を取っているかという重要な視点を考えるのに知っても損はないものだと思います。
もし、まだ触れた事がない方は、この機会に書籍などを読んでみてはいかがでしょうか。
最後まで、ご覧いただき、ありがとうございます。
(文責:辻村 彰太)