帳簿の現金と実際の現金が合っていないというのは、特に現金商売のお客様に多いお悩みです。
ご相談のあったお客様の中には、決算をする段階になって、実際の現金が数十万円、数百万円単位で足りないというケースもありました。
基本的には一旦役員貸付金で処理し、社長から不足分を支払って貰う形が多いです。
また、役員貸付金が多いと税務調査で指摘があったり、融資が通らない等の恐れもあります。
出納帳がない所はつけて頂くのがまず最初の一歩ですが、出納帳を正しく運用する為のポイントは2点
①.受け払いを正しく記入する事
②.今あるべき現金と実際の現金に差異がないかの確認
当たり前の事に思えますが、不明金や不足金が出るお客様はこの2点が徹底出来ていない事が多いです。
①.受け払いを正しく記入する事
売上と経費が正しく集計と記入ができているかの確認で、チェックすべき点は、
・取消や値引き、売掛金の回収は正しく記入できているか
・現金での支払いレシートを正しく集計できているか
・売上金の預け入れや立替金の精算を正しく記入できているか等です。
②.今あるべき現金と実際の現金に差異がないかの確認
①のチェックを行った後、今あるべき現金と実際の現金に差異がないかを確認、差異があれば原因の追究が必要です。
原因を特定する為にも、出来るだけ短いサイクルで行うのが大切で、まずは、毎日営業が終わった段階では確認出来ている。という体制を目指されるのが良いかと思います。
また、正しい現金管理は、会社の為だけでなく従業員の為でもあります。
現金管理が出来ていない場合には、「従業員による現金の盗難」も起きやすくなってしまいます。
すぐに不正が分かるようなしっかり管理されている中では、不正をしようという気は起こりづらいはずです。ですが、管理出来ていない状態であれば、不正へのハードルが下がり”つい”が起こってしまいます。
大切な従業員を失ってしまったり、犯人捜しで職場の雰囲気が悪くなってしまう事もあります。
そんな悲しい事が起こらないように、お客様には現金管理の徹底をお願いしております。
弊社では、記帳代行や税務申告はもちろん、詳細な日々のオペレーションについてもフォーマットの提供や、月次での運用のサポート等も行っています。お気軽にご相談下さい。
(文責:松本 龍馬)