給与計算における社会保険料の控除金額を精査し正した事例

ご相談内容

「少し前から社会保険料の控除金額がおかしいようだ」

外注していた給与計算において、社会保険料が正しく控除されていないことに気が付いたお客様からのご相談でした。賃金台帳を拝見すると、確かに然るべき金額とは異なる保険料が給与から控除されているようでしたが、原因が分からない状態でした。

現状分析と改善策

対応手順

・状況確認(いつ頃から不整合が発生していると認識しているのか、加入している社会保険など)
・ゴールの認識合わせ(正しい金額と実徴収額の差額の算出)
・資料の提出依頼(賃金台帳と標準報酬決定通知書)
・資料をもとにエクセルに金額を書き起こし、正しい保険料との突き合わせ
・原因調査

解決策

資料に少し目を通しただけで、誤った金額を控除してしまっていることは一目瞭然でした。お客様の目的は金額の清算でしたので、まずは正しい徴収額と実際の控除額を比較した一覧表を作成し、精算額をまとめました。
原因を明確にすることが再発防止につながると考えたため、誤って控除していた保険料の根拠を探しました。過去2年分の控除保険料から逆算で保険料率を求め、保険料率改定のパターンに当てはめたところ、加入している協会けんぽ都道府県支部とは別の支部の料率が人によってバラバラに適用されていることが分かりました。(協会けんぽ=全国健康保険協会は、会社が加入する都道府県単位の「支部」によって保険料率が異なります。)これを説明の上、給与計算ソフトでこの設定を確認するようアドバイスしました。

まとめ

給与計算は初期設定が重要ですが、やはり最後は人の目が頼りです。「システムが計算しているから間違いないだろう」「作業手順に則れば正しい計算ができるはず」こういった考えももちろん正しいですが、我々は専門家として原因の追及や根拠の確認を意識して業務を行っています。
また、様々な会社の事例を拝見しているため、原因追及にあたってのノウハウがあります。これは我々士業に限らずの話ですが、正確に・スピーディーに課題解決をしたいときは、是非専門家にコンタクトしてみてください。きっと求めていた答えに最短ルートでたどり着けるはずです。

(文責:植松 沙和子)

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