入社後、音信不通になった社員はどうすれば?事例

ご相談内容

福岡居住のAさんが東京の会社へ1ヶ月の短期雇用で入社。

ところが1日勤務して福岡に帰ってしまった。

その後、音信不通。

 

詳しい状況

・口頭での労働契約のみで雇用契約書(労働条件通知書)を交わしていない。(本人からもらった書類等は履歴書のみ)

・電話は通じず。

・メールを送るも返信なし。

・1日分の賃金を払いたくとも振込先の情報なし。

 

このような状況において会社としては、どのように対処すればよいのか?

現状分析と改善策

具体的な原因

①雇用契約書(労働条件通知書)を締結(通知)していない。

②退職届の提出がない。

③賃金支払いが出来ていない。

④源泉徴収票を渡せていない。

 

【補足】

①②

・契約書を取り交してなくとも、面接時等に口頭で契約を結び、双方が同意すれば雇用契約は成立する。

・1日のみの勤務、その後出勤していなければそれは無断欠勤となる。

・就業規則等で「無断欠勤開始日より2週間が過ぎたとき退職とする。」等の規定がある場合は、規定通りの日に退職となる。

・就業規則等に規程が無い場合、契約期間中は雇用契約を結んでいる状態となる。※解雇手続きは可能。

解決策

今回は、期間の定めのある契約(1ヶ月間)が決まっていたのであれば、その日までの雇用となります。

ただ、それが口頭のみだとトラブルが起こった際、証拠書類がなく会社が不利になるため、労働条件通知書をご本人Aさんにお渡しすることが大切になります。

電話、メールをしても通じないとのことですので、内容証明郵便で「労働条件通知書」と「給与の支払い方法」を郵送されてはいかがでしょうか。

※「給与の支払い方法」例:原則振込ですが、現金書留という方法もあります。どちらにされますか?振込ということであれば銀行口座情報を教えてください。ご返信がない場合は現金書留とさせていただきます。

※現金書留はAさんとどうしても連絡が取れない、かつ、Aさんがいる住所が確定していること

 

給与の支払いは、振込、現金書留の他、Aさんが会社に来られるまで(連絡が取れるまで)会社保管、もしくは法務局に供託することも可能です。

※賃金を会社保管する場合は、賃金請求権の時効期間である※当分の間は3年(2020年4月労働基準法改正)保管ください。

 

給与支払時期は労働条件通知書の雇用期間満了後。

振込の場合は、振込時期に内容証明郵便にて、雇用期間満了通知書、給与明細、源泉徴収票を送りましょう。

現金書留の場合は、現金の他、雇用期間満了通知書、給与明細、源泉徴収票も同封して送りましょう。

会社保管、法務局に供託の場合は、各書類と共にその旨Aさんに通知しましょう。

 

まとめ

今回の事例は契約社員に限ったことではなく、正社員、パートでもあり得ることです。

入社日には雇用契約を締結し、振込先銀行口座を確実に聞いておきましょう。

※雇用契約の締結や振込先銀行口座の確認は入社前にすることも可能です。

事前にリスク回避することで人事労務の負担を減らすことが大切です。

 

(文責:鵜飼 達也)