社会保険労務士の仕事

皆さんがお持ちの卒業アルバムには「将来の夢」の寄せ書きページがありますか?私は幼い頃からこれといった夢がなく、小学校卒業の時この欄に何と書こうかひどく悩み、結果さして興味もない「アナウンサー」と書きました。もともと何かに夢中になるような熱量のある子供ではなかったからというのもありますが、それよりもただ、世の中にはどんな仕事があるのか分からなかったのです。知っている仕事の中から、卒業アルバムで「映える」職業を選んでそう書きました。

紆余曲折を経て、33歳の時に社会保険労務士の資格を取りました。その時に勤めていた会社の人事部長が社労士の資格を持っていて、勉強を勧められたのがきっかけです。社労士という資格を知ったのは社会人になってからなので、HOPにインターン生として来ている大学生が社労士の資格取得を目指していると聞き、「そんなに若いうちに一体どこで知ったのだろう」と感心しています。

社労士の試験もなかなか科目が多く、一度の試験でこれらすべての合格点に到達しなければなりません。
・労働基準法及び労働安全衛生法
・労働者災害補償保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
・雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。
・ 労務管理その他の労働に関する一般常識
・ 社会保険に関する一般常識
・健康保険法
・厚生年金保険法
・国民年金法
ちなみに「一般常識」は、「こんなの全然常識じゃないよ…」というもので、小さな法律がいくつも詰まっています。大きく分けて前4つが労働保険科目、後4つが社会保険科目です。

試験に合格して実務を行うようになっても、この「労保派」「社保派」の派閥はあるように思います。私を含め、HOPに在籍している社労士や社労士チームのメンバーは「労保派」です。主に会社の人事労務担当の方をお客様として持ち、労働者を抱えるが故発生する手続きの代行やお悩みに対応します。一方「社保派」の社労士たちは、病気や障害で苦しんでいる人たちに対して社会保障を適用することにより生活のサポートをしています。病院を拠点にケアワーカーのような役割で働いている社労士もいます。

私も「社保派」の社労士仲間が数人いますが、彼らが話をしているのを聞くと、内容が全く分からないことがあります。同じ資格を持っているとは思えないくらいです。その度に「難しい制度を嚙み砕いてコツを教えてくれるこの人たち、頼りになるな!私も必要になった時にはこの人たちに相談しよう!」と思うのです。そして、果たして私もこんな風にお客様に感じていただけているのだろうか…と振り返る機会でもあります。

私は新卒で飛行機の客室乗務員の仕事をしました。とてもやりがいがありましたが、機転が利けばなんとかなやっていくことができるその仕事を続けるよりも、何か専門的な知識や経験をもとにお客様に貢献できる仕事に挑戦したいと思って行きついたのが今の仕事です。どんどん新しくなる法律を勉強し続け、情報収集に努めるのは楽なことではないですが、自分の仕事を誇りに思ってこれからも頑張ります。

(文責:植松 沙和子)

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