初めてアルバイトをしたときからある銀行をメインバンクとして継続して利用していたのですが、先日用事があって別の銀行で手続きをした際、対応の差に大変驚き、その「別の銀行」にお金を移そうと決意するに至りました。
細かいことはさておき、「対応してくれた方々が優しく親切でプロフェッショナルだったから」というのが理由であって、窓口の方の行員としてのスキルや銀行としてのサービスに決定的な差があったわけではありません。自社のサービスを選んでもらうには、この「何となく信頼できるから、雰囲気がよいから」という抽象的な理由も重要なのだと改めて感じた出来事でした。
企業文化と呼ばれるものが、この「なんとなく」感じるものなのでしょう。しかし、これだけ大きな組織でどうやって企業文化を浸透させているのか不思議に思いました。
HOPでも企業理念の策定のお手伝いをし、お客様の企業文化の醸成のため伴走型のコンサルティングをしています。まずは経営者の思いを明文化するところから始まりますが、ただ文章として掲げただけでは理念は浸透しません。
ではどうやって…と考えたときに、身近な上司や先輩の理念の体現と伝承に尽きるのだろうと思いました。会社の決定はいつも一貫して理念に基づいたものである、上司や先輩が理念に沿った言動をしている、そして当然に周囲の後輩もそれに従う。そうして理念に沿った行動をする社員が増えて、それが第三者に伝わる…というサイクルです。
「経営理念に共感したから」という理由で会社選びをする人が多いですが、自分自身に働くことや人生についての理念がなければ共感もできないと最近気が付きました。
私はこれまであまり意識せず生きてきましたが、一度立ち止まって考えてみようと考えています。
(文責:植松沙和子)