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令和8年度(2026年度)の地域別最低賃金が出揃いました。全国加重平均は昨年度から56円引き上げられ、1,177円となります。すべての都道府県で時給1,085円を超えており、当法人にも、すでに来期の採用予算やパート社員の年収の壁に関するご相談が多く寄せられています。
今年の改定で特に目立つ傾向は「地域間格差の縮小」です。最高額は東京都の1,280円ですが、佐賀県の65円アップを筆頭に、地方部で国の目安額を大きく上回る大幅な引き上げが相次ぎました。
今年の引き上げ幅は特に大きいため、給与計算の現場では例年以上の混乱が予想されます。今のうちに確実に押さえておきたい実務ポイントを3つに絞りました。
1. 適用時期(発効日)の確実な把握
最低賃金の発効日は全国一律ではありません。早い自治体では10月1日ですが、県によっては10月中旬から下旬にかけて発効するため、自社事業所の所在地の発効日を必ず確認してください。 実務でよく起きるのが、給与の『支払日』を基準に新単価へ変更してしまうミスです。最低賃金は「発効日以降の労働分」から新単価を適用しなければなりません。給与計算では、発効日を境に旧単価と新単価で分けて日割計算をする等の対応が必要となる場合もあります。
2. 月給者の時給換算チェック
パートやアルバイトの時給には目が行きがちですが、盲点になりやすいのが正社員等の「月給者」です。 基本給や対象となる手当をベースに「月給÷1ヶ月の平均所定労働時間」を計算し、全従業員が改定後の最低賃金をクリアしているか確認してください。なお、通勤手当、家族手当、精皆勤手当、時間外割増賃金などは最低賃金の計算から除外されるため、対象賃金の範囲を間違えないよう再確認が必須です。
3. 求人票と労働条件通知書の見直し
現在出している求人情報がないか、すぐに確認してください。求人票の賃金額が改定後の最低賃金を下回っていると、求職者とのトラブルにつながる恐れがあります。 また、最低賃金ギリギリで雇用契約を結んでいる従業員がいる場合、発効日をもって法律上は自動的に新単価へ引き上げられますが、労使間の無用なトラブルを防ぐためにも、時給変更の通知や労働条件通知書の再発行を行うことをお勧めします。
最低賃金の引き上げは、採用力や従業員の定着率に直結する経営課題そのものです。まずは自社の賃金台帳を開き、該当する従業員がいないか確認してみましょう。ご不安な点があれば、いつでも当法人へご相談ください。
(文責:都築 和行)
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